コロナはいつ収束する?音楽家の未来と求められる適応能力
どうも、こんにちは!声楽家&ブロガー&ボイストレーナーのとらよし(@moritora810)です。私は音楽大学を卒業して、大学院も修了しました。ドイツへも音楽留学をしていた経験があります。そんな私は現在日本に住んでいるわけですが、普段はフリーランスの音楽家として演奏活動をしたり、カルチャースクールで教えたり、個人レッスンでボイトレをしたりしています。
2月と3月からはじまった演奏会の自粛活動で出演が無くなったり、ボイトレの講座が休講になったり、結婚式が軒並み中止や延期で聖歌隊のお仕事がなくなったりと打撃をうけています。これらの問題の本質は、その自粛期間が長引くことが予想されるということです。一体このコロナウイルスはいつまで続くのでしょうか?そもそも収束するのでしょうか?そのあたりも交えながら、今回は音楽家の過去と現在と未来について思考していきたいと思います。
コロナウイルスはいつまで続く?
東京のオリンピックは延期になり、来年開催すると日本政府は意気込んでいるわけですが、残念ながらそう簡単な話ではありません。海外のメディアの予測やネット上の情報、過去の疫病の終息に至るまでのデータを見ていると、どうやらこのコロナウイルスの騒動は相当長引くことが予想されます。
残念ながら今年1年はまるまるコロナの年になると言えるでしょう。ネット上の意見や世界の国々の報道を元にコロナウイルスの感染拡大がいつまで続くかの予測を統合的にまとめると、コロナウイルスは最低でも2021年春頃まで続くというのが大多数の見方です。というよりも、そこまでに収束すれば大成功と言えるでしょう。
コロナウイルスは第二波、第三波の再流行が予測されている
コロナウイルスの特徴を端的に述べると潜伏期間の長さと無症状感染者の存在が挙げられます。この2つのこの特性がある以上、ワクチンがない中で、仮に新規感染者の増加が小さくなっていったとしても、外出活動を元通りに戻すことはできません。
ココに注意
疫病は再流行を繰り返しながら収束していく
またこのコロナウイルスはインフルエンザと同様に変異する(A型B型のような感じ)特性を持っています。これが更にワクチンの問題を厄介にしています。
世界の報道を見ていると、中国の武漢では経済活動が再開されたということですが、再流行の危険性を非常に危惧しているという報道があります。これはコロナウイルスで大きく影響を受けたニューヨークも同様で、一度収まっても、再流行する可能性があるのが疫病の特徴であり、このコロナウイルスも例外ではありません。そのため、いつまで続くかに関わらず、いつまで続いたとしても次の試練が待っているというのが最大のポイントと言えます。
ワクチンの開発と生産には時間がかかる
あの世界的な大富豪でマイクロソフトの創業者であるビルゲイツも私財を投じて予防に効果があるかもしれないワクチンを何種類か作っていると報道があります。ただし、このワクチンについては効果が期待できるかもしれない既存のワクチンであり、コロナウイルスにどの程度効果的かは分かりません。
もちろん、コロナウイルスに完全に対応したワクチンが開発されればそれが1つの解決策になるのですが、ご存知の通り、ワクチンの開発や薬の開発には時間がかかります。いつまでに実用化ができるか定かではありませんが、そらく世界中の医療機関がこの開発にあたっているため、コロナウイルス用のワクチンやあるいは薬が今年中には開発されるのではないかと言われています。
しかし、問題は開発の後には臨床試験が必要です。これにも時間がかかり、相当数のデータが必要でその分析も欠かせません。そして更に、その後にはワクチンや薬の生産の問題があります。地球上に77億人の人口がいるわけですが、そんな数を一気に開発出来るはずもありません。また注射器も必要になります。
現役世代にワクチンが回って来るのは数年後
そういったワクチンや薬は、今症状で苦しんでいる人、また子どもや乳幼児、そして老人や基礎疾患がある人たちに対して優先的に使用されます。そのため、現役世代である20~60代までの人たちにワクチンが回って来るのは数年後のことになるでしょう。つまり、現時点でこのコロナウイルスに対抗するには一度かかって免疫をつける以外方法はありません。
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結論として、このコロナウイルス騒動の終息には国内だけで言うと短く見積もっても1年、長期的に見れば数年単位で時間がかかると予想しています。またもう少し述べると、南アフリカやソマリアといった発展途上国で感染が更に拡がれば更に何年もの時間がかかると報じられています。
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コロナで変わる音楽家の過去・現在・未来
コロナウイルスのパンデミックによって、世界は大きな変化を強いられています。ここから音楽家のこれまでと現在、そして未来への展望について少し考えていきたいと思います。これから変わっていく未来を予測し、その波に乗ることが出来ればコロナウイルスを転機に活躍するような音楽家も出て来るかもしれません。
そしてそれは良いとか悪いとかいう価値化や議論を越えて、それに適応しないと生き残れないという弱肉強食的な世界に突入すると私は予測しています。
音楽家のこれまで【過去】
音楽家のこれまでを少し考えてみましょう。基本的には声楽の世界を中心にしてクラシック音楽界についての個人的な見解です。
まず日本のクラシック音楽業界は国内外を問わず、非常に活発な状態でした。これは豊かであることの表れであり、経済が安定した国は芸術的な発展を遂げることは歴史が証明しています。例えば東京のオーケストラの数は世界でも類を見ない数であり、レベルも世界トップクラスであることは誰も疑うこともないでしょう。
国立歌劇場や企業とのタイアップも数多く存在し、クラシック音楽は確実に高い価値を供給していました。しかし、どの業界もそうですが、それと同時に負の側面も存在していました。
音楽業界の不健全な側面
音楽家になりたい人間が多くなればなる程、負の側面も増えます。つまり、音楽業界は飽和状態でもありました。例えば意味もない、あるいは価値もない演奏会が利権を持つ人間によって開催されたり、特に声楽界ではチケットノルマという徴収金を収めながら演奏をする演奏会が成り立っていました。吹奏楽連盟のトップが数億円も着服していたのは本当につい先日のことですね。
あるいは権威というものを振りかざして、ふんぞり返ってつい先日まで高校生だった無知な学生を偉そうに教える人たちがいました。それも何万円という高いレッスン料を取って、挙句の果てには何の保証もなく「あなたには明るい未来がある」と言っていました。
最後に詳しく述べたいと思いますが、まずこれらの価値の無い人間関係や演奏会・音楽会は淘汰されます。それについては拍手をしたいわけですが、それと同時に価値の高い演奏会も自粛活動の影響で中止を余儀なくされているのは事実です。
音楽家の今【現在】
音楽家の今を考えれば、まず演奏会が出来なくなりました。岐阜県で発生したが合唱団のクラスター(集団感染)によって、合唱やオーケストラ関係は全滅と言えます。同様に海外でもニューヨークで合唱団内でのクラスターが発生して、死者も出ています。基本的に音楽の練習や、そもそも演奏会というものがライブハウスと同様に3密に近い状態であるため軒並み中止になっています。そしてこれは当然ではありますが、緊急事態宣言が終了したとしても、聴衆がすぐに戻って来るとは到底考えられません。誰でも感染のリスクを避けようという心理が働くからです。
また対面のレッスンというのも、密であることは間違いないので殆どが中止です。私もレッスンなどはほぼ中止にしました。これは自分が感染源になるかもしれないという危惧があるからです。こんな状態ではなかなか簡単にはレッスンもできません。
つまり、端的に述べて人と接触をする音楽活動についてはそのほとんどが中止になっていると考えることができます。
オンラインを駆使しはじめる音楽家たち
一般の会社でも現在はZoomなどを使いオンライン会議を始める人たち増えました。それと同様に日本でも行動の早い人たちはどうすればオンラインができるのかを模索しはじめています。感染爆発の起きたニューヨークでは外出制限のロックダウンが起こり、すでに著名な音楽家たちがオンラインレッスンができるプラットフォームが開設されています。
当然ですが、日本でもこの流れは今後加速することになるでしょう。それは先ほど述べた通り、三密の代表である音楽活動はすぐに顧客が戻ってこないからです。しかし、当然ではありますがオンラインレッスンには機材や音出しできる環境が先生と生徒の双方に必要となります。そのため導入を躊躇っている人も多いことが分かりますが、最近では以下の記事のアクセス数がコロナウイルス流行前と比べて10倍以上になっていることからも、その関心の高さがうかがえます。
音楽家のこれから【未来】
音楽家はこれからどういった具体的な変化を強いられるのでしょうか?具体的に私は以下の3点がポイントになるのではないかと思います。
- ネット上で信頼を構築できるかどうか
- 質の高い演奏を提供できるかどうか
- 人を惹きつけるだけの人間性を兼ね備えているかどうか
これらの要件に対応できない音楽家は絶滅していくと考えられます。それでは順に見ていきましょう。
ネットで信頼関係を構築できるのか
私たちはネットのやり取りだけで信頼関係を構築することができるでしょうか?答えは「Yes」です。なぜなら、私たちはこれまでに会ったことも無い、あるいは話したことも無い人を一方的に信頼することがあります。例えば各国の首脳であったり、誠実そうな芸能人・あるいは演奏家をです。
それであれば、実際に顔を見て声を発して話すことのできるオンラインを使えば、もちろん私たちは相手と信頼関係を構築することができます。私には実際に一度もリアルで(つまり至近距離で)お会いしたことがないにも関わらず、お金を振り込んでくれてレッスンを定期的にする方が何人もいます。
これは双方の信頼関係が基になっていると考える以外にありません。相手との信頼関係を構築する具体的なポイントは以下のようなことです。
- 基本的にはレスポンスを可能な限り早くする
- 言葉遣いなどを親切・丁寧に行う
- オンラインにおいてはよく相手の要望やニーズを理解してレッスンを行う
上記のポイントは対面であっても重要な点ですが、オンラインであっても同様に最重要な事項になります。特に大切なのはレスポンスの速さかもしれません。オンラインでは会ったことのない人にお金を支払うことになるので、最初は抵抗があります。当然のことですが、実名を公表していることやその人の存在が明らかにネット上で認識できることも非常に重要です。もしまだお持ちでない方は自分のホームページやブログなどをこの機会に立ち上げるのも有効な手段であると思います。
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価値のあるものが生まれる次の時代
質の高い演奏を提供できるかどうかが重要であるかは、コロナウイルスの特性を考えても明らかです。もしこの騒動が収まって、演奏会に足を運びたいとすれば、それはどういった演奏会でしょうか?
最初に挙げたような、半強制的な演奏会や利権がらみの演奏会、あるいは発表会に魅力を感じるでしょうか?戦後もそうでしたが、芸術が中断された次の時代には素晴らしい復興の活動がおきます。おそらく今回のコロナウイルスの後もそうであると想像しますが、価値のある演奏、あるいは「本当にこの奏者(団体)だからリスクを取ってでも聴きに行きたい!」というものでなければ、演奏会を開くことはできないでしょう。
これはある意味で、音楽界が浄化されるということでもあり、とても良いことだと私は考えています。今回の自宅での自粛活動などを考えれば、価値観の変化や本当に大切な人とのみ過ごすという考え方の変化が起きてくるからです。
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適応できない人たちは絶滅する
先ほどの話とも関連しますが、本当の意味で人を惹きつけることが出来ない人は今回の騒動で絶滅していくでしょう。つまりそれは、本当の意味で信頼関係を構築してこなかった人、権威や権力を使って生きて来た人のことです。
音楽業界が以前のように戻るのを待てばよいという考え方もあるかもしれませんが、そもそもの話として「もとには戻りません。」このコロナウイルス騒動は必ず変化をもたらすため、自粛したからといって元に戻るということではないのです。
また最初にお話した通り、コロナがいつまで続くかと言えば最低でも1年ということなので、「常識」が変わるには十分すぎる時間があります。そのため、新しい価値観や環境に適応できる人たちがこれからの音楽業界を引っ張っていく先頭になっていくでしょう。
音楽がなくなることは絶対にない
断言できることですが、音楽が無くなったり息絶えるということは絶対にありません。なぜなら、人類はこれまでも沢山の疫病や災害を乗り越えて現在に至っているからです。もし音楽が無くなるとすれば、それは人間が絶滅したときになるでしょう。ただし、コロナウイルスでは人類滅亡は起きないと考えられます。
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新しいスキルや能力を身に付けよう!
音楽家の人たちは今本当に大変な時期だと思います。私も音楽大学の出身ですから、周りの友人や音楽仲間、そして何よりも私自身が大きな打撃を受けているからです。
しかし、どうやらこの騒動は1年程度は続くことが予想されるため、いつまでも落ち込んでいるわけにはいきません。それであれば、この期間にインターネットに強くなったり、あるいは家で演奏のスキルを磨いたり、譜読みをしたり、読書をしたり、今まで興味があったけれど出来ていなかったことをするチャンスととらえることもできます。
もしこの期間をスキルアップして乗り越えることが出来るのであれば、それは自分の情熱を再確認できるということであり、それこそが今後活動していく上で音楽家として最高のスキルになるかもしれません。
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