ドイツ音大受験

ハンスアイスラー音楽大学の試験内容【声楽修士】

ハンスアイスラー音楽大学の試験内容【声楽修士】

どうも受験準備に追われているTorayoshiです。ということではじめての受験が明明後日に迫って参りました・・・。今回受験する最初の音楽大学は、Hochschule für Musik "Hanns Eisler" Berlinです。今いるプロフェッサーで特に有名なのは、Prof.Thomas Quasthoffでしょうか。ほかにもソプラノのProf.Christine Schaefer,ピアニストの、Prof.Wolfram Riegerとかがいます。とにかくドイツ国内ではかなり有名な音楽大学のひとつです。

修士の入学試験課題

ハンスアイスラーの入学試験は、まずはじめに受験者が選んだ任意の曲を1曲歌います。その後にリクエストがあれば他の曲も歌うことになります。私は事前に提出していたリストの中からF.シューベルトの歌曲〈Nachtviolen〉(夜咲きスミレ)を歌いました。

そのあと試験官からW.A.モーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」から〈Hai gia vinta la causa〉(訴訟に勝っただと!)のレチタティーヴォアッコンパニャート部分をリクエストされて歌いました。ハンスアイスラーの試験では、歌ったあとに試験官と話をすることができます。

どんな話だったのかというと、試験官「残念ながら私はあなたを次のステージに推薦することはできない」→おいら「そうですか、私のレベルが不十分だった。そういうことですか?」→試験官「いや、そういうことではない。あなたはまずもっとドイツ語を勉強した方がいい。」→おいら「そうですか・・・。残念です・・・。(←ショックで他に言葉がでてこない)」→試験官「君のこれからがうまくいくように祈ってるよ!」→おいら「はい・・・、ありがとうございました。」という感じで、追い返されました世知辛い世の中です。(※下の画像が申し込み用紙)

試験の課題は、「リート4曲」「アリア4曲(1曲はレチ付き)」「ドイツ語のテキスト」の3つです。試験の申し込みは上記の申し込み用紙に書いて申し込みました。この中でもドイツ語のテキストははじめての経験でした。とにかく私は魔笛からパパゲーノの台詞(Ach ich fühl'sが終わったすぐあとの台詞)を選びました。一応今後バリトンで受ける人がいたらと思うので載せておきます。

  • オペラ【魔笛】シーン19から、タミーノとパパゲーノ(Die Zauberflöte” NEUNZEHNTER AUFTRITT Tamino, Papageno.)

Papageno [isst hastig] Nicht wahr Tamino, ich kann auch schweigen, wenns sein muss. - Ja, bei so einem Unternehmen da bin ich Mann.  [er trinkt ] Der Herr Koch, und der Herr Kellermeister sollen leben. -[Dreimaliger Posaunenton] [Tamino winkt Papageno, dass er gehen soll.]Papageno :Gehe du nur voraus, ich komm schon nach [Tamino will ihn mit Gewalt fortführen.]Papageno : Der Stärkere bleibt da! [Tamino droht ihm, und geht rechts ab; ist aber links gekommen.] Papageno : Jetzt will ich mirs erst recht wohl sein lassen. - Da ich in meinem besten Appetit bin, soll ich gehen. - Das lass' ich wohl bleiben. - Ich gieng' jetzt nicht fort, und wenn Herr Sarastro seine sechs Löwen an mich spannte.  [die Löwen kommen heraus, er erschrickt ] O Barmherzigkeit, ihr gütigen Götter! - Tamino, rette mich! die Herrn Löwen machen eine Mahlzeit aus mir. [Tamino bläst sein Flöte, kommt schnell zurück; die Löwen gehen hinein. ] [Tamino winkt ihm.] Papageno : Ich gehe schon! heiss du mich einen Schelmen, wenn ich dir nicht in allem folge. [dreimaliger Posaunenton ] Das geht uns an. - Wir kommen schon. - Aber hör einmal, Tamino, was wird denn noch alles mit uns werden? [Tamino deutet gen Himmel.] Papageno : Die Götter soll ich fragen? [Tamino deutet ja.] Papageno : Ja, die könnten uns freilich mehr sagen, als wir wissen! [dreimaliger Posaunenton ] [Tamino reisst ihn min Gewalt fort.] Papageno : Eile nur nicht so, wir kommen noch immer zeitlich genug, um uns braten zu lassen. [ab]

なんとか覚えました・・・。 試験は一次試験と二次試験に分かれていて連日行われます。一次試験では自分で選んだ任意の曲を1曲、二次試験は大学側が指定した曲を数曲+台詞の朗唱+面接という内容になっています。

二次試験への通過者は一次試験当日の夕方に発表されるという仕組みです。去年受験した友人の情報によると、ハンスアイスラーは世界中から100人ぐらい受験して4,5人受かるとか受からないとか・・・。というのも、年によってプラッツ(定員の空き)が違うのからです。

ちなみに、日本みたいに定員以上生徒を受け入れることは法律で禁止されているそうです。なので、歌の学生は基本的にはVorsingenといって、試験前に先生に声を見てもらいます。ただこれも簡単ではなく、もし事前にコンタクトが取れたとしても合格するかどうかは本当に別の問題です。

というのも、修士課程に入るにはその大学のProfessor全員の承認が必要だからです。日本みたいに、レベルが低いのにごり押しで入学するのはムリです。もちろん、ある程度の推薦はできるはずなのでコンタクトがある方が絶対有利なのでVorsingenは積極的に申し込みましょう!(※プロフェッサーは必ずネット上に連絡先が記載されていますので、そこにメールを送りまくります。)



受験者数

結果として、今回のハンスアイスラーMaster of Gesangの応募者数は240人ぐらいだったそうです。(試験管も多すぎて正確に把握してないらしい・・・笑)そして7~8割がアジア人でした。

その中でも5~7割が韓国人、続いて2~3割が中国人、そして0.5割が日本人といった感じでしょうか。(ちなみに私は日本人にはひとりも会いませんでした。)これは日本人の私が言うのもあれですが、アジア人多すぎてドン引きでした。ハンスアイスラーについたとたん、韓国語が飛び交ってて、「もしかしておいらは間違ってソウルかなんかに来たんじゃないだろうか・・・。」と錯覚に陥りました。

ということで、多分ひとくくりに「アジア人枠で通れるかどうか」って感じなんだろうなと思います。あと落ちたから一応ひとつ文句を言うと、先週ハンスアイスラーで行われていた歌のマスタークラス(クヴァストフがやってたやつ)のコンサートを見に行ったんですが、学生の出演者が15人ぐらいいて、その中に、1人もアジア人がいませんでした。だからそのときから「これ厳しい感じするなー」とは思っていましたが、まぁ確かにそういう感じもあるのかなと思います。

ということで!!!今日は少し落ち込んで、明日からは来月の受験に向けて頑張ります~




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