カラオケやボイトレで歌う時の姿勢は?声に安定感を与える立ち方【声楽】

2019年7月18日

カラオケやボイトレで歌う時の姿勢は?声に安定感を与える立ち方【声楽】

Herzlich Willkommen!! ようこそ!Torayoshi(@moritora810)こと、声楽家・ボイストレーナーの森善虎です。今日は意外と誤解されがちな歌う時の姿勢についてのお話です。

歌の先生から「真っすぐ立ちなさい」とか、「上から糸で引っ張られているように立ちなさい」と言われたことがあるとすれば、それはあまりオススメできる立ち方ではありません。その理由についてもお話していきたいと思います!

歌うときの姿勢について

良い姿勢とはなんでしょうか?歌うときの姿勢については、たびたびレッスンで問題になる項目のひとつです。私が愛読している《歌手ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと》というアレクサンダーテクニークを中心として歌を考察するこの本の中で「姿勢」は、次のように述べられています。

いわゆる「良い姿勢」で歌おうとする歌手がマンガっぽく見えるのはなぜでしょう?歌手自身も、身体がこわばって苦しいと不満に感じます。~中略~その原因は、「姿勢(posture)」という言葉にあります。これはそもそも、「静止」とか「完全に止まったまま立つ」という意味を持ったことです。歌にはつねに動きが必要なのに、姿勢という言葉はそれとは正反対のものなのです。

出典:《歌手ならだれでも知っておきたい「からだ」のこと 12ページ》

更に、本の中では「姿勢」というものを有効な別の言葉で言い換える試みがなされています。その一例として、①「バランスの取れた身体」②「はつらつとした身体」③「弾むような身体」と表現されています。これらの表現は確実に歌う時のパフォーマンスを向上させます。また先ほどの文章に出てきたように、「歌にはつねに動きが必要」という部分は非常に重要です。息を流すことや良いパフォーマンスの為には身体のリラックスが必要不可欠です。

もし身体を硬直させてしまえば、本当は流すことができる息をも止めてしまいます。長く歌を勉強してきた方であっても、もう一度自分の姿勢について考えるのはとても意義深いものです。実際、「固定された姿勢」あるいは、「固定された概念」は本来つねに動きを持つ歌や音楽とは少し離れたところにあるのです。また本に記載されている、いくつかの「姿勢」にまつわる有害な神話についても触れておきます。

  • 【壁を使った練習】…多くの歌手が姿勢を良くするために壁に背中をつけるように言われます。私もその経験があります。しかし身体構造について学べば学ぶほど、この「良い姿勢」を作ろうとする行為が正確なボディマッピングとは相反しており、美しい歌唱の弊害になることが分かります。具体的には、壁に背中をつけて立つと、脊柱の後ろ半分と背中の筋肉を真っすぐにさせて脊柱の自然なカーブを平らにしてしまいます。このような状態になると、歌手はボディマッピングのとき、「脊柱は全て身体の後ろにあって、前の方に臓器や筋肉がある」と誤解していまいます。歌手に必要なことは身体の中心でバランスととりながら体を支えることであり、それこそが自然な息の流れを助け、美しい歌唱へと結びついていきます。
  • 【真っすぐに立ちましょう】…こんな風に言われた経験がある方もいるかもしれません。あるいは「脊柱を真っすぐにしなさい、しっかりした木の棒のように。」これらの言葉は身体の構造上不可能です。というのも、脊柱はもともと波をうつようなカーブをもっています。ですので、身体を伸ばそうと真っすぐ立とうとすればするほど背中をはじめとして全身に不要な緊張を与えることとなります。必要なのは身体の開放であり、バランス良く立つということが真っすぐに立つことよりもはるかに重要です。
  • 【胸を高くして】【肩を後ろに引きなさい】【骨盤を閉めなさい】…これらのすべての言葉は不要に身体を緊張させてしまい、自然な呼吸や歌唱を妨げてしまいます。他にもいくつか誤解を招きかねない言葉がありますが、重要なことは「バランスのとれた身体で歌う」ということです。
  • 【見えない糸】…「見えない糸で上の方から引っ張られているイメージで。」このように指導をされたことがある方もいると思います。これはこれまでの例と同様に、首周りに不要な緊張を与えてしまいます。頭は環椎に乗っているものなので、動作は頭の下で生じます。正確なボディマッピングでは、首は緊張から開放され、声も歌もより自由になるべきなのです。

説明の通り、これらの言い回しは身体の誤った使い方を誘発します。もしこれらの言葉を忠実に実践しようとすれば、身体を筋肉によって再調整させることになり、身体を不自然なポジションに抑制させてしまうからです。その結果として、身体の軽快さは制限され、声の自由が奪われる結果となります。ここの項目で最も大切なことについて述べるとすれば、それは「バランスの取れた身体で歌う」ということです。是非自分の中で最も適当なバランスのとれた身体の状態、歌うために有効な「居場所」を見つけてください。そしてそれを意識する前と後とで声がどう変化したか確認してみてください。

からだを支える6つのポイント

次に骨格的に、どこで身体を支えるべきなのかについて考えていきます。まずは下の図をご覧ください。

骨格上のバランスを理解することは、安定して歌うために必要不可欠な知識です。私たちが上手に歌っていると、私たちは脊髄を中心にして支えられ、整えられた全身で歌っています。脊髄が自然なカーブを描いていることも頭に入れておいてください。そして、私たちの身体の中では、上から順に、

  1. 「脊髄上の頭のバランス」
  2. 「脊髄の上の方でぶら下がっている腕構造のバランス」
  3. 「がっしりとした腰椎上での胸郭のバランス」
  4. 「脚上の上半身のバランス」
  5. 「膝でのバランス」
  6. 「土踏まず上での身体のバランス」

を感じることができます。このバランスの大敵は先ほど触れた、「まっすぐ立つ」「前かがみになる」ということです。先ほども述べた通り、まずは「バランスの取れた身体で歌う」ことを心がけてください。これが最も簡単にできて、全てに通じる基礎の部分です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?もしかすると自分の立ち方ももっと良く出来るかもしれないと感じたかもしれません。この立ち方だけで歌のパフォーマンスが上がるとしたら、必ず注意したい項目のひとつです!

是非色々な立ち方を試して実際に声をだしてみてください!そして最もバランス良く立てる感覚を探してみてください!それではまた次回!

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