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ベルリンで国際声楽コンクール〈Neue Stimmen〉に挑戦!【初めての声楽コンクールにオススメ!】

ベルリンで国際声楽コンクール〈Neue Stimmen〉を受けてきました!【初めての声楽コンクールにオススメ!】

どうも、Torayoshi(@moritora810)です。先日の木曜日、ベルリンのStaatsOperでNeue Stimmenを受けてきました。

ということで今日は、そのときのお話です。今回のベルリン予選の参加者は主催者発表で約200人とのこと。三日間に渡って行われました。

Neue Stimmenは声楽のコンペティションで、世界各地で予選が行われています。2年前には日本のYokosuka予選を受けました!!(関連:院修了~私がドイツへ行くことを決めた理由)横須賀のサイトページからNeue Stimmenの概要について見てみると、

 「新しい声」 は、ベルテルスマン財団が若く才能ある歌手を発掘、育成し、 彼らに国際的キャリアの道を開くことを目的として1987年から隔年で、ドイツで行われているコンクールです。前回(2015年)は、世界26都市で開催されたオーディションに、70ヶ国から1318人の歌手が参加しました。

本選の参加者は、ドイツをはじめ世界のオペラハウスの芸術監督、エージェントや音楽メディアの前で歌を披露する機会に恵まれます。そのため、若い歌手にとっては、新しい契約を結んだり、これからの出演の依頼を受けるなど、将来の道を切り開くことができます。世界的に有名な歌手、ヴェッセリーナ・カサロヴァ(89年)、フランコ・ファジョーリ(03年)、マリーナ・レベカ(07年)やクリスティアーネ・カルク(07年)は、このコンクールからキャリアをスタートさせました。このコンクールでは入賞しなくても、世界の有名なオペラハウスやエージェントなどと契約し、後に国際的に評価されている歌手を数多く輩出しています。

世界オペラ歌唱コンクール「新しい声」の目的

  • 若い才能ある歌手を見い出し、長期にわたり指導、奨励、助言を与えるなど支援をすること
  • 新進の歌手に、専門家の前で演奏を披露する機会を提供すること
  • 異なる文化、国籍、宗教を持つ若い演奏家の対話や交流を促進すること

と書いてあります。参加するのに必要な曲目は三つの異なった時代から三つのアリアと、二つの異なったオペラからアリア2曲という指定です。

ちなみにアリアについてはソプラノ、メゾソプラノ、アルト、テノール、バリトン・バスでそれぞれアリアの表みたいなのがあるのでそこから選べるようになっています。

ほぼ全ての主要なアリアを網羅しているので、選ぶのには困らないだろうと思います。




レパートリーについて

レパートリーは幅広く時代区分で分けられています。すべての時代を含める必要はないんですが、最低でも3つの時代区分から選曲しなければいけません。

一次予選では、最初に自分が選んだ曲を演奏します。そのあと、多くの場合もう1曲指定されて歌うことになります。

  • レパートリーは4つの時代に分かれています。
    第1期:1600年~1750年
    第2期:1750年~1830年
    第3期:1830年~20世紀初頭
    第4期:20世紀
    ※レパートリーのアリアリストは応募サイトに登録してご覧ください。
    https://neue-stimmen.de/en/competition/repertoire.html
  •  応募者は予選および本選の両方において、以下の選択条件からなる5つのアリアを準備しなければなりません。

・3つの異なる時代から選択した3つのアリア
・2つの異なるオペラ (時代は随意選択) から選ぶ2つのアリア、
その内1つはオペレッタから選ぶことができます。
・選んだ5曲のアリアは、オーディションと本選と両方のためのものです。

  • 各出場者は予選オーディションで提出した5曲のアリアから1曲あるいは2曲のアリアを演奏します。1曲目のアリアは歌手自身が選択し、2曲目は (要求された場合) 審査員が選びます。
    ・本選の一次審査では、提出した5曲のアリアから3曲まで演奏します。
    1曲目のアリアは歌手自身が選択し、ほか2曲は (要求された場合) 審査員が選びます。
    ・準決勝では、提出したアリアから審査員が選んだ1曲を演奏します。
    ・決勝では提出したアリアから審査員が選んだ2曲を演奏します。

応募要件について

  •  国籍は問いません。
  • 1988年10月15日以降に生まれた年齢28歳までの女性歌手
  • 1986年10月15日以降に生まれた年齢30歳までの男性歌手
  • 音楽を専門とする学校に在籍していた、もしくは在籍中の歌手(が望ましい。必修ではない)、あるいはオペラ団体で、役付きで研修または出演経験のある歌手
  • 本選への参加は、オーディションを受けることが必須条件です。
  • 不完全、もしくは事実に反する記載事項のあるお申し込みは受け付けることができません。
  • 応募者の参加の可否は主催者が決定します。
  • 本コンクールで入賞した方(第1位から第3位)は、2018年春にベルリンで開催する入賞者コンサートに出場しなければなりません。
  • 本コンクールにて受賞歴がある方は応募できません。

というふうになっています。齢制限が女性28歳、男性30歳までになっているのはNeue Stimmenの名前の通り、”新しい声”ということなので、そのくらいが限度ということでしょう!

ということでは、私は最初にモーツァルトの〈Hai gia vinta la causa〉(訴訟に勝っただと!)を歌いました。Mozartなら声だけじゃなくて色々と演技で見せれると思ったからです。

私は声だけで良い評価が貰える気が全くしなかったので3メートル四方を小さな舞台にして、演技付きで歌いました。モーツァルトのオペラ作品は演劇の要素が強いのです。


提出曲目

  • Hai gia vinta la causa - W.A.Mozart
  • Vision fugitive - J.Massenet
  • Mein sehnen, mein Wahnen - E.W.Korngold
  • Or dove fuggo io mai / Ah, per sempre io ti perdei - V.Bellini
  • Wie Todesahnung / O du mein holder Abendstern - R.Wagner

歌い終わったあと、もう1曲マスネの〈Vision fugitive〉をリクエストされて歌いました。フランス語難しいし、高いしで大変でしたが、とにかく何とか歌いきりました!

殆どの参加者は二曲ほど歌うので、全てのレパートリーをよく準備していくことが大切なように思います。


このコンクールに参加すべき理由

①参加料がタダ、本戦に進んだら旅費や滞在費が全額出る

なんということでしょう!!!国内のコンクールはどれも3~5万円かかるのが相場です。

しかもなんと、ピアニストをNeue Stimmen側が用意してくれます。もちろん、自分で同伴してもいいですが、参加費無料で受けれるのは凄いことだと思います。

②審査員からの点数が公表される

  • オーディション及び本選では以下4つの基準を同格に審査し、評価されます。

・技術的熟練度
・音楽的表現力 (リスム、フレージング、表現)
・声質
・オペラ歌手としての個性及びプレゼンス

  • それぞれの基準は、0~5ポイントで評価されます。

  • 決勝で評価が難航した場合には、年齢や将来性が判断の基準となります。

  • 審査員会の決定に異議を唱えることはできません。

  • 出場者は、オーディションの約3日後に公式ホームページのメンバー専用ページにて評価(点)を見る事が出来ます。インターネットを使用しない出場者は電話で問い合わせることができます。(+49-5241-81-81171)

これなんです!!これが素晴らしいんです。この評価を通して、自分の立ち位置を知ることができます。

もちろん、本戦に進めればそれにこしたことはないですが、そうでなくても自分のどこが評価されているのか、どこが足りないのかを客観的に知ることができます。

一応デメリットを言えば、やはり他の上手い歌手を聴いて自信をなくしたりすることでしょうか・・・?でもそんなのはこの道を進んでいたら避けて通れないことなのでデメリットでもなんでもないかなと思います。。

ということで、このコンクールは時間と参加要件が許せば受けて損はないと思います。ひとつの舞台経験にもなりますし、誰も損をしません。

ちなみに私は昨日メールがきて、「ベルリンは人が多すぎて色々ごちゃごちゃしてるからもうちょっと待ってね」のような連絡が来ました。

そして私はStaatsoperでコンクールだったの劇場の裏を垣間見ることができました。普通に、「なんか衣装とか並べられててかっこええええええええええええ。。」と思いました。(笑)

ということでドイツで初コンクールの巻でした!それではまた次回!Bis bald~!!




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