タカラジェンヌとは?ジェンヌになるにはどうすればいい?(宝塚歌劇団)
「タカラジェンヌになるには?」「宝塚に入るにはどうすればいい?」
こういった疑問を持つ方は多いかもしれません。
タカラジェンヌとして華やかな舞台に立ちたいと憧れる人は大勢います。しかし、その夢を叶えるのはとても難しいこと。ほとんどの人が夢の半ばで挫折してしまう…それが現実でしょう。
それでも宝塚や舞台への愛、どうしてもタカラジェンヌになりたい!という情熱を持ち、挑戦し続ける人がいます。
今回はタカラジェンヌについての基本的な解説から、ジェンヌになる為にはどのような努力をすればいいか、宝塚音楽学校ではどのようなことを学べるのかについて記事にしていきます。タカラジェンヌになるには?という疑問を解決していきましょう。
本気でジェンヌを志す方はもちろん、タカラジェンヌという職業に興味がある方の参考になれば幸いです。
タカラジェンヌとは?
「宝塚歌劇団のことを全く知らない!」という方は、是非こちらの記事も参考にしてみて下さいね。
関連リンク:宝塚歌劇の魅力とは?初心者がハマる理由を解説!(宝塚歌劇団)
まずは「タカラジェンヌとは?」という疑問に対して、簡単に解説していきましょう。
宝塚音楽学校を卒業して、宝塚歌劇団の舞台に立つ演者のことを「タカラジェンヌ」または「ジェンヌ」と呼びます。とても簡単に言ってしまえば、宝塚の舞台に出ている人。そのような認識で大丈夫です。
有名なことなのでご存じかもしれませんが、宝塚歌劇は所謂「少女歌劇」です。宝塚には未婚の女性しか在籍できないことになっています。なのでもちろん、ジェンヌは全員女性です。例外はありません。乙女たちが若さを燃やして宝塚の舞台を作っていると考えると、とても儚くて美しい印象を受けますね。
上記の関連リンク「宝塚歌劇の魅力とは?」の記事でも解説していますが、タカラジェンヌは男役と娘役に分かれます。
劇団には女性しかいないので、劇中の男性の役も女性が演じる必要があるからです。
名称の通りですが『男役』であるタカラジェンヌは男性の役を。『娘役』は女性の役を演じます。(※演目などによって一部例外があります)
ジェンヌ達は舞台で役を演じるとき以外でも、男役や娘役を演じる必要があります。例えジェンヌ自身の好みがロングヘアであっても、男役が私生活で髪を伸ばすことはできません。逆にショートヘアにしたい娘役がいたとしても、短髪にしたり、ファンの前に出るときにパンツを履くことはできないのです。
タカラジェンヌを志す方は、舞台に上がるとき以外でも『ジェンヌ』を演じる必要があることを覚悟して下さい。
しかし、多くの場面でジェンヌとして過ごすうちに、センスが磨かれていく方がとても多いと感じています。タカラジェンヌは全員が素敵なファッションセンスを持ち、外見も内面もどんどん美しくなっていきます。タカラジェンヌになることによって、舞台で活躍できることはもちろん、素敵な人間へと成長することは間違いありません。
宝塚音楽学校の入試
先述でも簡単に触れましたが、タカラジェンヌになる為には宝塚音楽学校に入学しなければなりません。
タカラジェンヌになるまでの道のり
まずは宝塚音楽学校の入試に合格して、入学する必要があります。『予科生』と『本科生』として2年間学び、無事に宝塚音楽学校を卒業できたら、夢の宝塚歌劇団の舞台を踏むことができるのです。
宝塚音楽学校の入試 倍率は?
しかし、宝塚音楽学校の入試はとても厳しい闘いになります。ニュースでもよく報道されていますので、ご存じの方も多いかもしれません。定員40名のところに多くの受験生が押し掛けるのです。
気になる倍率ですが、約40倍になるそうです。その年によって変わりますが、なんと最高で48.2倍にも上ったことがありました。ちなみに2022年は、17.4倍と最小の倍率だったこともありました。タカラジェンヌになれるかどうかは運も関わってくるかもしれません。
宝塚音楽学校 受験資格
厳しいのは倍率だけではありません。
宝塚音楽学校を受験するには、一定の条件を満たさなければなりません。主に年齢で引っかかる方が多いのが現実です。
関連リンク:宝塚音楽学校公式ホームページ 募集要項について
※上記の募集要項は2022年度の受験についての内容になります。2022年度の受験はもう終了してしまったので、今から目指す方は最短で2023年度の受験から挑戦する形になります。
ざっくりとした説明になってしまいますが、挑戦できる期限は高校卒業まで。
「20〇〇年~20〇〇年までに生まれた方」という条件もありますので、受験生の年齢もかなり限定されてきます。ちなみに2022年度は2003年4月2日~2007年4月1日に生まれた方だけが受験資格を持つことができました。
宝塚音楽学校 入試の流れ・試験内容
試験は第一次試験から第三次試験まであります。第二次試験以降は、それぞれ第一次試験、第二次試験に合格した人だけが挑戦することができます。
関連リンク:宝塚音楽学校公式ホームページ 入学試験について
試験の内容は面接に始まり、歌唱試験や舞踊試験も含まれます。
面接対策をすることはもちろん、歌唱試験や舞踊試験の対策をする必要があるでしょう。
入試の対策はどうすればいい?
多くの受験生がバレエ教室や音楽教室に通い、受験に備えています。
このレッスンは一日でも早く始めるべきです。本気でタカラジェンヌになりたいのなら迷っている暇はありません。厳しく聞こえるかもしれませんが、あなたが迷っている一日は、ライバルの受験生が厳しいレッスンをこなして合格に一歩近付いた一日です。
宝塚受験対策に特化した教室もあります。こうした「宝塚を受験したい人の為に開かれた教室」には、先生として宝塚OG(元タカラジェンヌ)が在籍していることもあります。
上記のような教室に通うことができれば、より強い受験対策が可能になるでしょう。(関連URL:KIEミュージカルスクール 東京校・関西校)
近所にはそのような教室がない…。住む場所によっては、こんなお悩みを抱える方もいらっしゃるかもしれません。
その場合はスクールや教室に通い始める前に必ず、「宝塚音楽学校の受験をしたい、その対策をしたい」ということを伝えて相談して下さい。
そのスクールでどのようなことを学ぶことができるのか。レッスンによって上達しそうかどうか、教え方は十分であるのか。時間やお金を無駄にしない為にも、しっかりとリサーチしてから、どこに通うのか決めると良いでしょう。
宝塚音楽学校の生活
そして厳しい倍率を誇る受験に無事合格したなら、晴れて宝塚音楽学校に入学することができます。しかし、合格がゴールではありません。夢に向かう第一歩、スタートラインになるのです。
では、宝塚音楽学校ではどのような生活を送ることになるのでしょうか?
宝塚音楽学校は2年制です。1年目は『予科生』、2年目は『本科生』として学校生活を過ごすことになります。それぞれの学校生活をご紹介しましょう。舞台で活躍できる華やかなジェンヌになる為、修行期間がスタートします。
【予科生】本科生の厳しい指導に従いながら過ごす
「宝塚音楽学校では上下関係は絶対。先輩には従わなければならない」
このような厳しいイメージが世間に根付いているように感じます。この記事を読んでいる皆様も、もしかしたら同じように思っていらっしゃるかもしれませんね。
このイメージは確かに正しいと言えるでしょう。特に予科生の学校生活は自由が少ないことを覚悟しなければなりません。
まずは服装。制服の着用に乱れがあるなんてことは言語道断です。世間一般では自由に学生服を着崩してファッションを楽しむ子も多いかもしれませんが、宝塚音楽学校の生徒は校則通りにきっちりと制服を着用します。
髪型にも厳格な決まりがあり、前髪が眉にかかることすら許されません。
学校の外でもルールを守る必要があります。例えば、道を歩きながら友達と雑談を楽しむ…こういった行為をしてはなりません。常に姿勢を正して、私語を慎みながら、宝塚音楽学校の生徒として美しく歩きます。
本科生よりも早く来て、教室を綺麗に掃除しなければならないことも有名かもしれません。
【本科生】予科生を見守り手本となる
本科生になると、予科生よりはルールが緩和されます。
もちろん制服は規定通りに美しく着用しますが、髪型などは宝塚音楽学校のイメージを損なわない範囲で好きなスタイルにすることができます。
では、好きに過ごしていいのか?と聞かれると、もちろん違います。
本科生は予科生のお手本。予科生たちを導く存在なのです。そして宝塚音楽学校の卒業を控えているので、その生徒としての自覚をより強く持たなければいけません。
先述した通り、宝塚音楽学校の先輩は後輩に対してとても厳しいイメージがあるかもしれません。その厳しさが悪いイメージとして根付いてしまっている印象を受けます。
しかし、本科生が予科生に厳しくするのは、自分より後に音楽学校に入学してきた「後輩」への愛ゆえ。厳しくしていても、愛情を持って見守っていることがほとんどです。
予科生が悪いことをしたら叱り、正しい道へと導くのが本科生の役目です。
宝塚音楽学校では何を学ぶのか?
宝塚歌劇団の舞台に立つジェンヌを養成する学校なので、もちろん一般の高等学校とは授業の内容ががらりと変わってきます。しかし、最終学歴が中学卒業である生徒もいるので、希望者は高等学校卒業の資格を得る為のサポートを受けることができます。
授業内容は主に音楽や演劇、ダンスです。
音楽の授業では合唱から声楽、クラシック、ピアノや琴の演奏まで、幅広く学びます。宝塚音楽学校を卒業した方の中には、ピアノが得意な方も大勢いらっしゃいますね。
ダンスでは、モダンダンス、タップダンス、バレエなど、どのようなダンスでもこなせることを目標にカリキュラムが組まれています。日本舞踊なども学ぶことで、美しい所作や舞台での凛とした立ち姿に繋がります。
また、宝塚歌劇団といえば美しい舞台化粧が印象的です。宝塚ファンでなくとも、彼女たちの舞台化粧を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
生徒たちにはお化粧を学ぶ機会も設けられます。一般的に雑誌などでお化粧を覚える方が多いかもしれませんが、宝塚音楽学校の生徒はそうではありません。基礎から学ぶからこそ、華やかな舞台化粧を披露できるのでしょう。
夢を目指すが故の不安
宝塚を目指す受験生には、華やかな舞台を夢見るが故の悩みがあるでしょう。
よく散見するお悩みについても記述しました。一緒に考えてみましょう。
身長が低いからタカラジェンヌにはなれませんか?
ジェンヌの平均身長は、日本人女性の平均身長と比べると非常に高く感じるでしょう。なので、「ジェンヌになるには私の身長では難しいですか?」と悩む受験生が多いように感じます。
私の回答としては「絶対に男役になりたいのでなければ、そこまで気にする必要はない」と考えております。
男役として活躍したい場合は、身長が低いと叶わないケースも多々あります。例えば元雪組トップ娘役の真彩希帆さん(現在は舞台女優として活躍中)は、圧倒的な才能と歌唱力をお持ちでした。
本当は男役になりたかったそうですが、男役を希望して受験した際には不合格になってしまいました。
男役になれるかどうかのボーダーラインは、身長が168cm以上あるかどうか。もちろん今後変わる可能性も否定できませんし、個人の特性を見て168cm以下の生徒も男役として活躍できる可能性はあります。
ただし、身長が168cmに届かない場合は娘役としての道も検討すると良いでしょう。真彩希帆さんのように娘役として昇進する可能性が拓けるかもしれません。
以上のように男役になりたい場合は、身長というシビアで難しい壁があります。しかし「娘役として活躍したい!」という場合、そこまで身長について悩む必要はないと考えています。
ジェンヌになるには、身長のことで悩んでいる暇などありません。悩んでいる時間をレッスンなどに費やした方が絶対に合格に近づくことができます。
確かに宝塚歌劇団は高身長であればあるほど、有利な世界であることに間違いはありません。しかしそれ以上に大切なのは、大衆の目を惹きつける輝きがあるかどうかではないでしょうか。
どうか身体的な特徴について悩むことなく、あなたらしさを発揮して堂々と受験してほしいなと思います。
募集要項にある「容姿端麗な方」って?
宝塚音楽学校の受験資格について調べると、「容姿端麗で舞台人に適した方」という条件が書かれていることにも気が付くでしょう。
身長と似た話にはなってしまいますが、自分の外見に自信がないから合格できるはずがない…と不安になってしまう受験生もいらっしゃるかもしれません。
この辺りを宝塚音楽学校受験の審査員がどう考えているかは分かりませんが、私は必ずしも「一般的に見て美人」のみを指しているのではないと考えます。
目がぱっちりしていて二重である、鼻が高い、パーツ配置が整っている…このような方が世間一般では美人と言われるかもしれません。しかし、必ずしもこれらの条件に当てはまっている必要はありません。
寧ろ持って生まれたお顔の個性を生かしている方の方が受験に合格して、タカラジェンヌとしてデビューした後も人気を得られる傾向にあると思っています。
もしも自分の外見に関してコンプレックスがあったとしても、そのことで宝塚音楽学校の受験を諦めないで下さい。コンプレックスではなく「強みであり、自分のチャームポイント」くらいに思って下さい。
あなた自身が悩んでいても、ジェンヌデビュー後のファンから見たら、チャームポイントとして映ることも多々あります。そして、受験時にそこを見出されることもあるかもしれません。
コンプレックスをカバーするにはどうすればいい?と考えるよりも、ありのままの自分の個性として大切にしてみて下さい。
重要なのは、人を惹き付ける何かがあるかどうか。「何か」とはとても抽象的なものになってしまいますが、コンプレックスを受け入れてチャームポイントとしたときに、その何かが生まれると思っています。
宝塚音楽学校の受験に落ちてしまいました。諦めないといけませんか?
とても厳しい宝塚音楽学校の受験。どんなに頑張っても、落ちてしまう人がほとんどなのが現実です。落ちてしまったときに、「もう諦めないといけないんだろうか。これからどうすればいい?」と考えてしまう人も多いかもしれません。
年齢的にまだ受験資格があり、どうしてもジェンヌになりたいと思うのなら、また挑戦するべきだと思っています。
現在、宙組の男役トップスターとして活躍されている真風涼帆さんは、宝塚音楽学校の受験に3回挑戦されたそうです。3回目にしてやっと掴んだ合格でした。
真風涼帆さんは身長175cmで、まさに男役として活躍する為に生まれてきたような華やかな見た目をお持ちです。
トップスターとしての歴もベテランで、まさにトップの中のトップ。レジェンド的存在。男性顔負けのかっこよさを持つジェンヌさんですが、もしも宝塚音楽学校受験の時点で諦めてしまっていたら、このような素晴らしい男役トップスターは誕生しませんでした。
諦めずに挑戦し続けることで、スターへの道が拓けるかもしれません。
まとめ
今回はタカラジェンヌについての解説と、宝塚音楽学校の受験、学校生活などについて書かせていただきました。
「ジェンヌになるにはどうすればいい?」という疑問をお持ちの方の参考になれば幸いです。
今日も華やかな舞台を作り続ける宝塚歌劇団。その世界に入り、ジェンヌになる為には厳しい経験を乗り越えていくことになります。しかし、人生は一度きりです。もし本当に心から「タカラジェンヌになりたい!」と願っているのなら、その夢に向かって頑張って下さい。
そして、もしも夢が破れてしまったとしても、宝塚歌劇に憧れ、努力をした日々は決して無駄にはなりません。あのような美しい世界に憧れて、受験の為に厳しい日々を過ごしたなら、その分素敵な人間になれるはずだからです。
これからも素晴らしいタカラジェンヌが誕生することを願って、この記事を締めたいと思います。
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