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日韓関係を考える【隣人愛が必要な時代】

日韓関係を考える【隣人愛が必要な時代】

どうも、とらよし(@moritora810)です。今日Twitterを見ていたら「#好きです韓国」と「#嫌いです韓国」というハッシュタグが同時にトレンド入りしていました。

先日、日本は韓国に対して輸出入の「ホワイト国」認定を解除しました。それに対して韓国は非常に強く反発しています。なぜこうなったのか、そしてそれが韓国的にどういう意味を持つのかを簡単にですがおさらいしておきたいと思います。

日韓関係と被害者感情

まず日本と韓国の関係は歴史をさかのぼれば有史からずーっと存在しています。だって隣ですから。当たり前ですよね。

とはいっても、近代でもっとも重要な出来事は第二次世界大戦です。日本は韓国を侵略して植民地支配しました。最初にこの部分についての前提をお話しします。

私はドイツのベルリンに住んでいた時にポーランドにあるアウシュヴィッツ収容所へ行きました。そこでも感じたことですが、基本的に「侵略した側(加害者)」と「侵略された側(被害者)」には意識に違いがあります。端的にお話すると以下の様になります。

  • 加害者⇒忘れたい
  • 被害者⇒忘れられない

はい、これだけです。学校とかで起きる「いじめ」なんかも同じです。いじめられた側は大人になってもトラウマだったりしますが、加害者は忘れてたります。

昨日、8月6日は広島の原爆投下の日でしたので広島市で式典が行われていましたね。NHKで中継されていました。ではアメリカでそんな式典があるでしょうか?もちろんABCニュースも中継なんてしません。

人間は基本的に失敗や被害を受けたものの方がよく覚えるように脳が出来ています。情報として入ってきた場合もそうです。たとえば「○○は危険です」という情報の方が強く残ります。「○○は安全です」というのは気に掛ける必要がないわけですから、別にほっておいても良いわけですね。

ということで、この前提があることを念頭に次のお話です。

戦後からの基本的な流れと最近のいざこざ

日韓関係について知識不足な面はいなめませんし、主観的な部分も入っていますが、出来るだけ段階を踏んで建設的に考えたいと思います。

  1. 日本は韓国を植民地支配した。その過程で慰安婦や虐殺、徴用などの問題があった。
  2. その後、日本は敗戦して韓国は植民地支配から開放された。
  3. 大戦の賠償として1965年に「日韓請求権協定」が結ばれる。(※同時に「日韓基本条約」も締結)この協定は、日本が韓国に対して無償3億ドル、有償2億ドルを供与することなどで、両国及びその国民の間の請求権に関する問題が「完全かつ最終的に解決された」と確認する内容。この協定には「徴用」(※韓国人が日本企業に強制労働させられた問題)も含まれていた。
  4. しかし、2018年10月30日、韓国の最高裁にあたる大法院は差し戻し審で新日本製鉄(現新日鉄住金)に対し韓国人4人へ1人あたり1億ウォン(約1000万円)の損害賠償を命じた。韓国政府はこの判決を支持すると発表。
  5. 日本はこれに反発。「徴用」の問題は「日韓請求権協定」で解決済みであると主張。問題がある場合は国際的な「仲裁国」を入れて協議しなおすという協定規則に乗っ取った提案をするも、韓国側は拒否。
  6. この判決で実際に何が起きるかというと、韓国国内ではもちろん韓国の法律が適用されるので、この「徴用」の最高裁判決によって、韓国国内にある日本企業は資産を差し押さえられて支払いを求められることになる。日本政府がどれだけ払わないと言ったところで、韓国は国内にある日本企業(今回は日鉄)の資産を取り押さえることができる。つまり日本の企業に実害的なダメージ(経済的な損失)が起きる。
  7. そこで日本政府は韓国に報復として、「ホワイト国」の認定解除を行う。これがどのくらい効果があるかといえば、日本は韓国向けに「フッ化水素」を輸出しおり、日本のフッ化水素は世界で最高の品質で、これがないと半導体を製造することができない。韓国はサムスン電子にGDPの18%を依存しており、簡潔に言うとこの「ホワイト国」から解除されると輸出入の手続きが煩雑になり、納期が大幅に遅れる。(サムスンだけではなく、LGグループやSKグループにとってもきつい)その損失は数百億円以上と言われるいる。(※もちろん韓国向けに輸出している日本企業にもダメージがある)
  8. 世論にも余波は広がり、日本国内では反韓、韓国国内では反日が拡がっている。(←いまここ)

少し雑ですが、だいたいこんな流れがあります。もちろん、ここには竹島の領土問題(お互いが自分の領土だと主張。教科書では両国とも自分の領土と教育される)などもあり、非常に解決が困難な問題が沢山あります。

だいたいの流れが分かったところで次の議題に移ります。

政治的な決定は傍観するよりない

ホワイト国の認定解除だったり、徴用の裁判だったり、こういった問題について私たちはあまり力がありません。選挙に行ったりデモをすることが一番良いですがその効果も限定的です。

しかし、私たちはこの情勢に対してどう対処するべきなのでしょうか?一部の右翼が声を大にして述べている様に、韓国を嫌って反韓デモをするべきでしょうか?あるいは左翼の方々が「韓国大好き!」と言っている発信に同調すべきなのでしょうか?

日本と韓国は隣国です。これはもうどうしても変えることができません。そしてどうにかして付き合っていかなければいけないのです。

世界的に見ると日本と韓国はアジアの文化圏

私がドイツにいるとき。ヨーロッパを周遊しているときに何度もこう質問されました。

  • 日本と韓国と中国は同じ言葉かい?
  • 君は中国人?
  • 君は韓国人?

ヨーロッパでは「自分はアジア人である」ということをひしひしと感じました。フランクフルトにいたとき同じ語学学校で学ぶ韓国人の友達の家に夕食会へ行ったことがあります。彼女の旦那さんも韓国人で、LGのフランクフルト支社で働いていました。そのときに食べた料理が最高にアジアで美味しかったのを記憶しています。

グローバルな視点で言うと日本と韓国の文化は非常によく似ています。考え方も似ています。韓国は儒教が強いですが、日本にも根強く存在しています。文化や社会形成の過程で、日本は韓国に、韓国は日本に影響を受けました。(※もちろん中国も入っています。)

そして血も沢山混じっています。これは事実です。抗うことはできません。

近いからこそ好きにも嫌いにもなる

話を最初に戻します。Twitterのトレンドにある「#韓国嫌いです」「#韓国好きです」というハッシュタグ。こんなのどっちもあるに決まってます。あなたの親や兄弟、恋人を思い浮かべてください。好きなところもあれば嫌いなところもあるはずです。

「愛憎」という言葉がありますが、愛するがゆえに憎むこともあるのです。好きと嫌いは表裏一体の関係です。ポイントは「対外的に何を表現するか」ということです。

それは相手のことが好きとか嫌いとかと関係ありません。その人の「態度」の問題であり、精神レベルの問題です。

私から言えることは、「韓国嫌い」と言ってる人は精神レベル低いですし、きっと人からもあまり愛されていないのでしょう。もう少し付け加えると、人間の脳は主語を判別できないと言われています。「嫌い」と言えば自分が嫌われているように感じますし、「好き」と言えば自分が好かれていると感じます。

また多くの人の「韓国を嫌い」の理由付けは、「韓国が日本を嫌いだと言っているから(そう思い込んでいるから)」でしょう。「好き」と言われたら「好き」で「嫌い」と言われたら「嫌い」は幼稚な発想です。

まとめ

いくつか前提になることをお話します。

  • 日本と韓国は隣国なので関わり合いを避けることはできない。
  • 日本は韓国より経済的に優位である。
  • 韓国には今でも被害者感情が根強く残っている。

こういった内容を控えて、私の結論は次のようになります。

  • 政治的な日韓関係(国×国)が悪いからといって、「人×人」という単位で関係を悪化させるのは意味がない。ヘイトスピーチなんてもってのほか。
  • 対外的に敵意を表明するのは人間としてのレベルが低い。
  • 日韓では日本が優位性を持っているので日本人が懐の広い対応をするべき。

私は韓国へも行ったことがありますし、韓国人の友人も歌の生徒さんもいます。というか、「国が嫌い」ってなんなんでしょうか?そもそも国というのはただの概念ですし、集合体です。

欧米やイスラム圏の国であれば「文化が合わない」という理由で国を敬遠するのは理解できます。しかし、隣国である韓国の文化が嫌いなら、日本の文化も嫌いなはずです。なぜなら類似性が高いからです。

それなら国を嫌う理由は「人」と言うことになります。しかし、「人×人」において、もしあなたが仲良くなれない理由を「国籍」や「国」のせいにするのであれば、それはあなたのコミュニケーション能力が低いことを意味しています。

ヘイトスピーチなんかをする右翼とかいう謎の人たちは、日本語しか話せないで、外国へ行ったこともないような人間が大多数ではないかと想像します。経験則的に、グローバルな人間で特定の国を嫌いだという話は聞いたことがありません。(※特定の「人」はあります。トランプが嫌いとか金正恩とか安倍とか)そもそも、日本人のパスポート所有率は4人に1人です。流石に世界を知らなすぎです。

もちろん、私にも合わない人がいます。ただ、そんな人たちを感情的に「嫌い」と言うのは建設的でないですし、意味がないことです。憎しみから生まれるのは「怒り」だけです。もしその感情にあなたが支配されているならそれは依存です。治療してください。

愛情のある世界を目指そう

私は日韓関係が良くなると思っていますし、個人レベルでは非常に良好です。もう少し付け加えるなら、「韓国嫌い」とか言ってる日本人より、彼らの方がよっぽど大切な友人ですし思考能力も実務的な能力も高いです。

グローバル化が進む世界で、国や国籍で人を判断する時代は終わりました。そうではなくて、我々はもっと根本的な思考回路、他人への対外的な姿勢、態度が問われています。

もし選択を誤れば、ずっとそこから抜け出せなくなります。その狭くて、発展性のない憎しみと争いのある世界からです。

対外的に愛情を表現できる世界を目指したり、信頼できる人間関係を構築していくことが豊かな人生を送ること、愛のある人生を送ることです。そこに気づくのは早ければ早い程良いのです。

人生は愛を表現したり実行するためにあります。誰かと争っているとそれだけで人生が終わります。なぜ戦争のない時代に生まれたのに自分から戦争を起こすのか理解に苦しみます。

愛情のある世界は確実に存在しています。あなたが勇気をもって踏み出せば良いのです。人を嫌ったり、単に大衆と同調するのではなくて、人を愛して、気遣って、親切にしてください。そうすれば道は広がっていきます。

キリスト教では「隣人愛」と説きますが、まさに今こそ隣人を愛するときです。もし「日本嫌い!」と言われても「韓国好き!」と言えた方がカッコいいです。精神レベルの桁が違います。

誰かがあなたに「嫌い」と言ったときに、どういう態度をとれるのか。あなた自身の素質が問われています。

それでは素敵な日韓関係を祈って!

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