「野ばら/シューベルト」の歌詞対訳と解説【Heidenröslein/F.Schubert】(ドイツ語/日本語)

2020年2月26日

「野ばら/シューベルト」の歌詞対訳と解説【Heidenröslein/F.Schubert】(ドイツ語/日本語)

みなさん、こんにちは!声楽家&ブロガーのとらよし(@moritora810)です。今日はシューベルトが作曲した「野ばら」の歌詞対訳と解説をお送りします。日本では中学校の教科書にも載っている曲なので、この曲をご存知の人はとても多いと思います。

フランツ・シューベルトはクラシック音楽界では「歌曲王」と呼ばれており、有名な歌曲を数多く作曲しました。他の曲で有名なところでいうと、「魔王」や「アヴェ・マリア」「鱒」などですが、こちらも以下のサイトに歌詞対訳と解説を乗せているので、気になる方は是非ごらんください!

それではシューベルト作曲の「野ばら」についてみていきましょう!

「野ばら/シューベルト」の歌詞対訳①

1.Sah ein Knab’ ein Röslein stehn,/1.少年が見つけた小さなバラ、
Röslein auf der Heiden,/野に咲く小さなバラ。
war so jung und morgenschön,/それはとても若く朝露が美しかった。
lief er schnell, es nah zu sehn,/彼がすぐに駆け寄り間近で見れば、
sah’s mit vielen Freuden./それは喜びに満ち溢れていた。
Röslein, Röslein, Röslein rot,/バラよ、茨戸、赤いバラよ、
Röslein auf der Heiden./野に咲く小さなバラ。

「野ばら/シューベルト」の歌詞対訳②

2.Knabe sprach: “Ich breche dich,/2.少年は言った、「君を折るよ」
Röslein auf der Heiden!”/野に咲く小さなバラさん!
Röslein sprach: “Ich steche dich,/野ばらは言った 、「私はあなたを刺します、
dass du ewig denkst an mich,/いつも私を思い出してくれるように
und ich will’s nicht leiden.”/それに、私は苦しんだりはしません。」
Röslein, Röslein, Röslein rot,/バラよ、バラよ、赤いバラよ、
Röslein auf der Heiden./野に咲く小さなバラ。

「野ばら/シューベルト」の歌詞対訳③

3.Und der wilde Knabe brach/3.乱暴な少年は折った、
‘s Röslein auf der Heiden;/野に咲く小さな野ばらを。
Röslein wehrte sich und stach,/野バラは抵抗して彼を刺した、
half ihm doch kein Weh und Ach,/傷みや嘆きも彼には効かず、
musst’ es eben leiden./野バラはただ耐えるばかり。
Röslein, Röslein, Röslein rot,/バラよ、バラよ、赤いバラよ、
Röslein auf der Heiden./野に咲く小さなバラ。

「野ばら/シューベルト」の解説

この詩のもとになった「野ばら」は、ドイツを代表する詩人ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe,1749-1832)の作品です。彼が1771年にドイツのシュトラスブルク(フランスとの国境沿いにある街)に滞在していた頃作詩されたものと言われています。

この頃、ゲーテは農夫の娘であるフリードリケ・ブリオンという女性に恋をしており、詩はその女性に送られました。となってくると、もちろんこの「野ばら」はその女性を表現しており、子どもはゲーテ自身を表現していると考えられるでしょう。詩の出版は1799年です。

この詩には、他にもヴェルナーやベートーヴェン、シューマン、ブラームスといった有名なクラシック作曲家が作品を作っており、この詩に付けられたメロディーは150以上と言われています。シューベルトの歌曲の原調はト長調で作曲されており、拍子は4分の2。ピアノ伴奏は主和音を右手と左手とで交互に奏するだけの非常にシンプルな作りになっています。

シューベルの作曲した曲の中でも初期の傑作と言えるでしょう。日本では以下の日本語訳もよくしられており、この日本語で歌われた歌唱も多く存在するようです。

近藤朔風(こんどうさくふう)による日本語歌唱の訳

1.童(わらべ)はみたり 野なかの薔薇(ばら)
清らに咲ける その色愛(め)でつ
飽かずながむ
紅(くれない)におう 野なかの薔薇

2.手折(たお)りて往(ゆ)かん 野なかの薔薇
手折らば手折れ 思出ぐさに
君を刺さん
紅におう 野なかの薔薇

3.童は折りぬ 野なかの薔薇
折られてあわれ 清らの色香(いろか)
永久(とわ)にあせぬ
紅におう 野なかの薔薇

まとめ

日本では、西洋音楽が入って来た戦後の時代に外国の歌曲を日本語で歌う風習がありました。しかしこれはなにも日本に限ったことではなく、例えばイタリアでドイツ語の歌がイタリア語で歌われたり、ドイツでイタリアオペラがドイツ語で歌われるということが頻繁にありました。そのため、年輩の方であればこの詩は聴き馴染みがあるのではないかと思います。

シューベルトの歌曲は、シンプルな作りの中で転調をしていくことで少年とバラの心情をよく表現していることで有名です。是非、楽しみながらこの曲を聴いてみてください!それではまた!

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