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オペラ『ドン・ジョバンニ』を初心者に分かりやすく解説!(W.A.モーツァルト作曲)

目次

オペラ『ドン・ジョバンニ』を初心者に分かりやすく簡単解説!(W.A.モーツァルト作曲)

オペラ『ドン・ジョヴァンニ』を知っていますか?

かの有名なW.A.モーツァルトが作曲し、1788年にウィーンで初演の幕が上がりました。

作品の見所を挙げるとキリがありませんが、一番は「ならず者の放蕩者」が主人公であるという所でしょうか。

主人公のドン・ジョヴァンニはスペインだけで1003人もの女性と関係を持つくらいの女好きで、しかも不誠実な男性です。

そんな彼を中心に物語は動きます。

時にコミカルに笑いを誘い、時にシリアス、そして時には捨てられた女性の報われぬ愛を描きます。

今回は簡単にあらすじをご紹介しましょう。初心者や観たことがない方でも大丈夫なように、分かりやすく解説も加えていきます。

今現在も生き続ける、素晴らしいオペラ作品『ドン・ジョヴァンニ』の世界観に浸っていただけたら幸いです。

主人公 ドン・ジョヴァンニ(バリトン)

貴族でとても裕福な上に剣の達人ですが、とんでもない女好き。従者のレポレッロに自分が今まで落として来た女達の名簿を作らせるほどです。

同時に恐れ知らずで残酷な一面も持っていて、「ならず者」「悪党」と呼ばれます。

ジョヴァンニの従者 レポレッロ(バス)

ドン・ジョヴァンニの従者。彼が女性を口説き落とす際に利用されることが多く、苦労人。

彼の女好きのせいで、何度もトラブルに巻き込まれることになります。

しかし何だかんだと世話を焼く姿は見ていて憎めません。この喜悲劇の喜、コメディの部分として観客を笑わせます。

その他の登場人物たち

・ドンナ・アンナ(ソプラノ)

ジョヴァンニに夜這いをされる。その上、彼に父親を殺されてしまう。

・ドン・オッターヴィオ(テノール)

ドンナ・アンナの婚約者。彼女の父親が殺されたことにより、ジョヴァンニへの復讐を誓う。

・ドンナ・エルヴィーラ(ソプラノ)

ジョヴァンニが愛した女性の一人であるが、裏切られて捨てられてしまった。まだ彼への想いを忘れられずにいる。

・ツェルリーナ(ソプラノ)

村娘。作中では結婚式を挙げる直前にジョヴァンニに見初められ、口説かれる。

・マゼット(バリトン)

ツェルリーナの花婿

オペラ『ドン・ジョバンニ』 簡単あらすじ

「第1幕 第1場」騎士長を殺してしまう(オペラ:ドンジョバンニ)

物語はレポレッロの嘆きから始まります。

この夜、ドン・ジョヴァンニは騎士長の娘を狙っていました。屋敷に忍び込み、夜這いをしているのです。従者レポレッロはその見張り役をさせられていました。

一日中主人にこき使われて、満足に休む時間も食事をする時間もない。

自分は見張りをしているのに、今頃主人は屋敷の中で美女とお楽しみ。

自分も貴族になりたい。なんで自分はこんな仕事をしているんだろうという気持ちを歌に乗せます。

そこに誰かがやってきて、レポレッロは物陰に隠れました。

曲:夜も昼も苦労して

屋敷から出てきたのは、ジョヴァンニとドンナ・アンナでした。夜這いに失敗して騒がれてしまい、屋敷から逃げようとしていたのです。

簡単ポイント

このシーンではドン・ジョヴァンニは仮面を身に着けていて、ドンナ・アンナにまだ顔を見られていません。

ジョヴァンニは逃げようとしますが、アンナは逃すまいと必死にしがみつき、大声で助けを呼び続けます。

騒ぎを聞きつけて、彼女の父である騎士長が登場します。

騎士長は娘を襲おうとした男を決して許しはしませんでした。決闘を申し込みます。

最初は相手にしなかったジョヴァンニでしたが、何度も「戦え」「逃げる気か」と言われ剣を抜きます。

ジョヴァンニは剣の腕に覚えがあり、騎士長を刺してしまいます。そして彼は息絶えました。

決闘のあと、物陰から見ていたレポレッロと共にその場を去ります。

レポレッロは「娘に乱暴をしただけでなく、騎士長も殺害するとは何事か!」と主人を責めますが、ジョヴァンニは従者の言葉になど耳を貸しません。

 

一旦は屋敷の中に逃げていたアンナでしたが、婚約者オッターヴィオ、そして従者たちと一緒に外に出てきます。

父を助けようとしましたが、手遅れでした。

倒れている父を見て慌てて駆け寄ったものの、もう息絶えています。

酷くショックを受けて気絶したアンナを、婚約者のオッターヴィオが抱き留めて介抱します。気つけ薬で何とか目を覚ましました彼女ですが、悲しみのあまりに神様に「私をお召しください」と懇願します。

オッターヴィオがそんな彼女をしっかりと抱き締めて言うのでした。僕があなたの父親にも夫にもなると。

献身的な婚約者に向かって、復讐を誓ってと懇願するアンナ。

こうしてオッターヴィオは、ジョヴァンニへの復讐を誓うのでした。

「第1幕 第2場」ジョヴァンニの女癖の悪さを歌った『カタログの歌』

屋敷から帰る道すがら、レポレッロはジョヴァンニを非難します。

あなたは悪人で、ならず者の生活をしていると。

当然ジョヴァンニは怒りますが、レポレッロがすぐに謝ったので許しました。

そして今夜の予定を嬉しそうに話すのでした。これから、とある美しい婦人と会う約束があると。

しかしその話をしている最中にも、ジョヴァンニは新しい女性を見つけます。女性の匂いがする、しかも彼女はきっと美人だと。婦人と会う約束のことも忘れて、新しく見つけた女性を追いかけます。

レポレッロは「すごい嗅覚だ」と半分呆れ、半分関心しつつ、主人についていきます。

 

その美女は悲しみを歌っていました。

悪い男に裏切られた。私の元に戻らないなら心臓を引き裂いてやりたい。でも、本当はもう一度会いたいと。

曲:ああ、誰が教えてくれるでしょう

その想いを聞いていたジョヴァンニ。レポレッロに「彼女は男に振られたんだ。俺が慰めてやろう」と耳打ちします。

美女に声を掛ける前に、ジョヴァンニの帽子やマントなどを整えてやるレポレッロ。

準備万端で美女に声を掛けるジョヴァンニですが、彼女が顔に掛けていたヴェールを外した時に気付くのです。彼女は以前、ジョヴァンニが一度は愛し、捨てた女だということに。

名前はドンナ・エルヴィーラ。彼女は今まさにジョヴァンニへの想いを歌っていたのです。

思いがけずに修羅場になり、ジョヴァンニは責め立てられます。

「あまりにもひどい!あなたは私を妻にすると言ったのに、体を手に入れたと思ったらあっさりと掌を返して逃げていったわ!」

困ったジョヴァンニは「この男なら信用できるだろう」と言い、レポレッロを彼女の側に向かわせます。

レポレッロが適当な話をしている隙に、ジョヴァンニは逃げてしまいました。

 

彼が逃げたことに気付いたエルヴィーラは、裏切られたと悲嘆にくれます。

そこでレポレッロが現実を突きつけるのでした。

あなたはジョヴァンニにとっての初めての女性でもないし、最後の女性にもなれないと。

取り出したのは、本のように分厚い名簿でした。そこにはジョヴァンニが落としてきた女性たちの名前が書いてあります。

レポレッロは歌に乗せて、名簿の中身をエルヴィーラに教えます。

曲:奥様、これがうちの旦那が手がけた女のカタログで『カタログの歌』(アリア)

 

イタリアでは640人、ドイツで231人、フランス100人、トルコ91人、そしてなんとスペインでは1003人。全てジョヴァンニが落としてきた女性の数だと。

そして彼はどのような女性も愛します。身分など関係ありません。王女様から村娘、全てが彼の愛の対象です。

冬には太っている女性と、夏には痩せている女性とお楽しみ。髪の毛の色や年齢も関係なく、その容姿を甘く褒めて誘惑します。

しかし一番夢中になるのが、まだ汚れを知らない若い女性。

そして彼が恋に落ちる条件はたった一つ、スカートを履いていることだと締め括ります。

ジョヴァンニの女癖の悪さを聞いたエルヴィーラは、ふらふらとその場を去りました。

「第1幕 第3場」結婚前の乙女を口説く(オペラ:ドンジョバンニ)

村の広場で娘たちが踊っていました。今夜この村では結婚式が行われるのです。

新郎新婦のマゼットとツェルリーナが抱き合いながら喜びを歌っていました。

たまたま通りがかったジョヴァンニとレポレッロ。そしてすぐに結婚式前の乙女、ツェルリーナに目をつけます。

ジョヴァンニは彼女をものにしようと、みんなを自分の屋敷に招待して、菓子や酒で十分にもてなすようにとレポレッロに命令します。特に花婿をおもてなしするんだぞと念を押して。

そして花嫁と一緒に屋敷に向かおうとする花婿、マゼットに声を掛けました。

私が花嫁をお連れするから心配ないと。

マゼットは不安になり自分が連れて行くと主張しますが、ジョヴァンニが剣を見せつけて脅すと仕方なくその場を去ります。

しかし、去り際にツェルリーナだけに聞こえるように「この浮気女。あの騎士様がお前を貴婦人にして下さるといいな」と捨て台詞を残します。

 

狙い通り、ツェルリーナと二人きりになったジョヴァンニ。彼女を口説き始めます。

君はとても可愛らしいね。夫は農夫かい?君には勿体無い。別の運命があるよ。さぁ、愛を誓い合おうと。

ツェルリーナは騙されていたらどうしよう、夫に申し訳ないと躊躇しますが、ジョヴァンニから次々に紡ぎ出される愛の言葉に誘惑されていきます。

そして遂に、一緒に彼の別荘に行くことを決め、強く抱きつくのでした。

曲:お手をどうぞ

しかしそこでエルヴィーラが現れ、ジョヴァンニが誠実な男ではないことを曝露します。

ジョヴァンニは慌てて、あの女性は自分に惚れているから愛しているフリをしているだけだと、ツェルリーナに耳打ちします。

しかしエルヴィーラはめげずに「彼は裏切り者だ」と言い続け、ツェルリーナを守るように彼から引き離して連れて行くのです。

曲:消えて!裏切り者は!(アリア)

一人残されたジョヴァンニでしたが、今度はアンナとオッターヴィオがやって来ます。

アンナはジョヴァンニの素顔を知りません。彼が昨夜自分を襲った上に、父親を殺害した男だとは知らずに、助けて欲しいと話し掛けます。

素顔を知られていないのをいいことに話をしようとするジョヴァンニでしたが、そこにエルヴィーラが戻って来ました。

アンナとオッターヴィオにも、彼は裏切り者で悪人だと警告します。

ジョヴァンニも二人に、彼女は気が触れて可笑しな発言をしているだけなので、彼女の発言を信じる必要はないと言います。

それぞれ食い違う主張に混乱するアンナとオッターヴィオ。

エルヴィーラは去りますが、心配だから後を追いかけますと一緒にその場を去ろうとするジョヴァンニ。

しかしその前にアンナに「私が何でも助けになりますよ」と親切な言葉をかけ、彼女の手の甲にキスをします。

これがきっかけで、アンナは自分を襲った男が目の前にいるジョヴァンニであることに気付いてしまいました。

 

ジョヴァンニが去った後、アンナはオッターヴィオに全てを話しました。

彼こそが父を殺した犯人であること。そして夜這いされ、乱暴されそうになったときのことを。

改めて、婚約者のオッターヴィオに復讐をお願いするのです。

曲:ドン・オッターヴィオ…私、死にたい気持ち

 

レポレッロは参っていました。ジョヴァンニが戻って来ると、愚痴を言います。

主人が留守の間に、このようなことがあったからです。

ジョヴァンニに招待された村のみんなが屋敷にやってきて、酒やごちそうでもてなしましたが、嫉妬に狂ったマゼットを宥める必要がありました。

しかもツェルリーナやエルヴィーラまでやって来て、ジョヴァンニの悪口を言っていました。

何とか外に連れ出して、鍵をかけて締め出していたのです。

この出来事を聞いてもジョヴァンニは全く意に介さず、寧ろ村娘たちと新しく恋をしようと、気持ちはそちらに向いていました。

明日には10人の女性の名前が名簿に書き加えられると、高らかに喜びを歌うのです。

曲:シャンパンの歌(アリア)

「第1幕 第4場」ジョヴァンニのせいで新郎新婦の仲が拗れる(オペラ:ドンジョバンニ)

マゼットとツェルリーナは喧嘩をしていました。

マゼットは裏切られたと思い、ツェルリーナを浮気女だと言います。

ここでツェルリーナは健気にアリアで想いを伝えます。

曲:ぶってよ、ぶってよ、私のマゼット

 

私をぶって。子羊のようにムチを待っているわ。私の髪を引っこ抜いてもいい。

どんな仕置きにも耐えるし、その後はあなたにキスをする。だから仲直りして。

こんな風に訴えるのです。

曲:ぶってよ、ぶってよ、私のマゼット

 

しかし、マゼットはツェルリーナを完全に信用することが出来ません。

物陰に隠れて彼女の様子を見て、自分への愛があるのか探ろうとします。

ツェルリーナは怯えました。自分とジョヴァンニが話しているところを、夫に見られたらどうしようと。

 

そんな彼女の元にジョヴァンニがやって来て、変わらずに甘い言葉を囁いて誘惑しようとします。

心が揺らいでしまいながらも抵抗するツェルリーナを無理矢理連れ出そうとするジョヴァンニでしたが、そこにマゼットがやって来ます。

ジョヴァンニは「ツェルリーナはお前が居ないと駄目なんだよ」と言い、彼女をマゼットに引き渡しました。

何とか取り繕い、みんなで音楽でも聞こうと誘うジョヴァンニ。しかし、マゼットからは疑いの目が向けられたままでした。

そして、アンナ、オッターヴィオ、エルヴィーラの三人が屋敷に到着します。仮面をつけて素顔が分からないようにしていました。

ジョヴァンニは見知らぬ人だと誤解して、二人の夫人(仮面をつけたアンナとエルヴィーラ)をものにしようと企みます。そしてレポレッロに三人を屋敷に入れるように命令するのです。

「第1幕 第5場」ジョヴァンニの悪行が暴かれる(オペラ:ドンジョバンニ)

場面はジョヴァンニの屋敷の広間に変わります。

ごちそうや飲み物が用意されて、招かれた村人たちがその場を楽しんでいました。

ジョヴァンニはもちろんツェルリーナを口説こうとしますが、少し挨拶しただけでマゼットが嫉妬してしまいます。

このままでは近づけないと思ったので、レポレッロにマゼットの気を引いて欲しいと頼みます。

レポレッロはマゼットをダンスに誘って気を引こうとしました。嫌がられますが、無理矢理踊らせます。

その隙を狙って、ジョヴァンニがツェルリーナを強引に連れ出して、別の部屋へと押し込みました。

抵抗する彼女を犯そうとしますが、大声で騒がれてしまいます。

ちょうどその時、仮面を付けたアンナ、オッターヴィオ、エルヴィーラもその場に来ていました。叫び声を聞いて、彼女を探します。

 

マゼットがツェルリーナを助け出すのと同時に、その部屋からジョヴァンニが出てきてレポレッロを摘み出しました。

なんと、レポレッロがツェルリーナを犯そうとしたと言い出し、罪を被せようとしたのです。

「こんなことをして、死んでしまえ!」と皆の前でレポレッロを罵るジョヴァンニ。

しかし、そこでアンナが声を上げます。

本気で悪事を隠せると思っているの!?と。

アンナ達が仮面を外すことで、ジョヴァンニは彼女たちの正体を知りました。

 

アンナ達は、ジョヴァンニの悪行の数々はすぐに世界中に知れ渡る、お前の頭上に雷が落ちて来ると警告します。

ジョヴァンニは混乱して逃げ惑いながらも、こんなことで挫けるものか、何も恐れるものはないと言います。

アンナ、オッターヴィオ、エルヴィーラに追い詰められても尚、彼が反省することはなかったのです。

 

「第2幕 第1場」レポレッロに、入れ替わって女性を口説こうとする(オペラ:ドンジョバンニ)

荷物をまとめたレポレッロが、ジョヴァンニの元から去ろうとするところから始まります。

「殺されそうになった!もうおいとまを下さい!」

と、主人から逃げようとするレポレッロ。

しかしジョヴァンニから金貨4枚を受け取ると一転、彼を手伝い続けることにしたのです。

 

ジョヴァンニには新たに狙っている女性が居ました。それはエルヴィーラの侍女で、とても美しい女性です。

しかし貴族の煌びやかな恰好では信用して貰えないと思ったので、レポレッロと服装を交換します。

服を交換したところで、バルコニーにエルヴィーラが出てきました。

彼女はまだジョヴァンニのことを忘れられず、どうしても彼を憐れんでしまう想いと苦悩を歌に乗せます。

ジョヴァンニの恰好をしたレポレッロをバルコニーの下に向かわせ、自分は見えない所から彼女に呼びかけます。

「エルヴィーラを愛している。自分の行いを反省している。お前と一緒になりたい」

実際はジョヴァンニに扮したレポレッロがそこに居るだけです。

しかしエルヴィーラから見れば、ジョヴァンニが自分の行いを悔いて、戻って来たように見えてしまったのでした。

 

エルヴィーラは信じてしまい、レポレッロの元に向かいました。

「自分の声真似をして彼女を抱き締めていてくれ」とレポレッロにお願いして、ジョヴァンニは物陰に隠れます。

ジョヴァンニが戻って来てくれたと思い込み、彼になりきるレポレッロの腕に抱かれるエルヴィーラ。

そこでジョヴァンニは通りすがりの悪人を装い、二人に襲い掛かるフリをします。エルヴィーラは驚いてレポレッロと逃げてしまい、狙い通り二人を追い払うことが出来ました。

ジョヴァンニはエルヴィーラの侍女に愛の歌を歌い始めます。

曲:窓辺においで

しかし彼女に愛が届く前に、誰かがやって来ます。しかも大勢で武装しています。

マゼットと村人たちでした。彼らはジョヴァンニを倒す為に探していました。しかし当の本人が目の前に居るにも関わらず、レポレッロの服装をしているので気付きません。

ここでまたジョヴァンニはレポレッロを巻き込みます。

自分も仲間に入れて欲しいと申し入れ、村人を半分に分けて、それぞれジョヴァンニを探すように指示します。

ご丁寧に今レポレッロが身に付けている帽子やマントの特徴を伝え、もし女性と逢引きしていたら容赦するなと指示します。

そしてマゼットを呼び止め、二人きりになれる場所に誘導しました。

ジョヴァンニは彼が持っていた銃を奪って、よくも俺を殺そうとしたな!と何度も殴り付けてから走り去ります。

 

怪我をして倒れるマゼット。そこにツェルリーナがやって来ました。

ツェルリーナは優しく彼を抱き締めます。そして「もうやきもちを妬かないでね。とてもよく効くお薬をあげるから」と言いながら、彼の手を自分の胸に当てさせて、心臓の鼓動を伝えるのでした。

ツェルリーナに支えられて、マゼットは帰って行きます。

曲:薬屋の歌(アリア)

「第2幕 第2場」複雑な心境のドンナ・エルヴィーラ(オペラ:ドンジョバンニ)

レポレッロはエルヴィーラと逃げていました。村人達の持つ松明の明かりが、彼らを追いかけていたからです。

エルヴィーラはまだレポレッロをジョヴァンニだと思い込んでいて、一向に離そうとしません。

レポレッロは彼女を置いてこっそりと逃げようとしましたが、ツェルリーナとマゼットに見つかってしまいます。その上、アンナとオッターヴィオにも見つかってしまいます。

レポレッロ達が逃げ込んだ場所は、騎士長とアンナの屋敷の庭だったのです。

 

ジョヴァンニの恰好をしているので、皆から彼だと勘違いされて追い詰められるレポレッロ。

どうか命だけはお助けをと顔を見せて、自分はジョヴァンニではなくレポレッロであったことを打ち明けます。

エルヴィーラはまたジョヴァンニに騙されたと絶望して、他の皆は混乱しました。

エルヴィーラは自分を騙したことを責めます。そしてツェルリーナはマゼットに怪我をさせたのはレポレッロだと思い、一緒になって非難します。

レポレッロはマゼットのことは何も知らないと言い残して、走って逃げてしまいます。

 

残されたオッターヴィオが言います。ドン・ジョヴァンニこそが騎士長を殺した犯人だということが、はっきりと分かりました。そして、私は必ず彼に復讐を果たすと。

曲:私の愛する人を慰めに行って下さい(アリア)

そしてエルヴィーラの気持ちはとても複雑なものでした。

ジョヴァンニを自分を裏切った極悪人だと恨みながらも、憎みきれずにいるのです。

彼が犯した罪は決して許されるものではなく、裁きが下るだろう。しかし、そう考えると胸が締め付けられるように痛いのです。

彼への慈悲を願ってしまう自分に葛藤していました。

曲:あの情け知らずの心は私を裏切った(アリア)

「第2幕 第3場」騎士長の石像(オペラ:ドンジョバンニ)

騎士像が並んだ墓場にジョヴァンニがやって来ます。彼が反省した様子は全くなく、寧ろ上機嫌でした。

そこにレポレッロもやって来ます。

ジョヴァンニは得意げに話し始めました。

ここに来る道中、若い女性を口説いたものの、その女性は実はレポレッロの愛人でした。ジョヴァンニのことをレポレッロだと勘違いしていましたが、途中で気付かれてしまい、逃げて来たと言うのです。

レポレッロは自分の愛人にまで手を出されて怒りますが、ジョヴァンニは高笑いをしていました。

 

しかし、不意に知らない声が告げるのです。

夜明け前には、もう高笑いなどしていられないだろうと。

驚いて辺りを見回すと、そこには殺した騎士長の石像がありました。石碑には「復讐のときを待っている」と書いてあるのです。

ジョヴァンニは命知らずにも、レポレッロにこう命令しました。騎士長の石像に向かって、晩餐に招待すると伝えろと。

レポレッロは怖がって拒否しましたが、ジョヴァンニに脅されて恐る恐る伝えます。

すると、石像であるはずの騎士長像を動いて、頷いたのでした!

ジョヴァンニは石像が動いたことに気付くと、怯えて震え上がっているレポレッロを連れて帰り、晩餐の支度を整えます。

 

「第2幕 第4場」オッターヴィオのプロポーズ(オペラ:ドンジョバンニ)

オッターヴィオが婚約者のアンナにプロポーズをしますが、断られてしまいます。

断ったとはいえ、オッターヴィオを愛していないわけではありません。

結婚式を先延ばしにすることは心苦しいが、今は悲しみで心がいっぱいだから、何もおっしゃらないでと婚約者に告げます。

 

「第2幕 第5場」地獄落ち これが悪人の最期!(オペラ:ドンジョバンニ)

クライマックスの場面は、ジョヴァンニの屋敷の大広間で繰り広げられます。

テーブルには豪華な晩餐が並び、楽士たちが演奏を始めます。この場面で『フィガロの結婚』の『もう飛ぶまいぞこの蝶々』が流れるのは作曲者:W.A.モーツァルトの遊び心でしょうか。

ジョヴァンニは俺の金で楽しんでくれと、豪勢に食事を楽しみます。レポレッロもちゃっかりおこぼれにありついて、豪華な食事を楽しんでいました。

 

そこにエルヴィーラがやって来ました。彼女はジョヴァンニを救おうとして、この荒れた生活を改めて欲しいとお願いするのです。

しかしジョヴァンニはそれを拒否して、彼女を食事に誘おうとしました。

エルヴィーラは怒って帰ろうとしますが、扉まで来たところで悲鳴を上げます。

 

騎士長の真っ白な石像が、本当にジョヴァンニの屋敷にやって来たのです。

曲:地獄落ち

 

騎士長もジョヴァンニに生活を改めることを求めます。

時間がない。悔い改めろと最後の警告するのです。

しかしジョヴァンニが受け入れることはありませんでした。

彼は地獄へと落ちて行きます。いつの間にか騎士長の像はどこかに消えていて、ジョヴァンニは燃え広がる炎にのまれていきました。

極悪非道の限りを尽くした彼に待っていたのは、名曲のタイトル通り『地獄落ち』だったのです。

 

そして皆がジョヴァンニを探してやって来ます。

レポレッロはジョヴァンニが亡霊に連れ去られたことを話します。

それぞれがジョヴァンニの呪縛から解き放たれ、明るい未来を歩み始めたのでした。

オッターヴィオはもう一度アンナに求婚して、彼女は1年待って下さいと返事をします。

エルヴィーラは修道院に戻り、神様の許で人生を歩むことを決心します。

ツェルリーナとマゼットは家に帰って美味しいご飯を食べようと、手を取り合うのでした。

そして散々振り回されたレポレッロは、新しくいい主人を見つけることにします。

悪行の限りを尽くしたジョヴァンニは地獄で暮らせばいい!

「これが悪人の最期!」と歌うと、それぞれが自分の居るべき場所へと帰って行きます。

 

さいごに

今回はW.A.モーツァルト作曲、オペラ『ドン・ジョヴァンニ』のあらすじを分かりやすく解説しました。

いかがでしたか?

簡単なあらすじだけを見ても、他にはない魅力を持ったオペラ作品であることが伝わったのではないでしょうか?

どのような女性でも口説き落とせる魅力を持ち、それを悪用して周囲を巻き込んでいくジョヴァンニのような主人公はなかなか居ないでしょう。

オペラの『ドン・ジョヴァンニ』をきっかけに、ミュージカル作品『ドン・ジュアン』を知りました。どちらも非常に見所が多い作品で、鑑賞すればするほど新たな発見があります。

ドン・ジュアンも女性を酷く弄ぶ男が主人公となっていて、多くの観客を惹きつける魅力を持つ作品です。

 

今回は『ドン・ジョヴァンニ』のあらすじを解説しましたが、オペラ初心者の方や、まだこの作品を観たことがない方にも興味を持っていただけたら幸いです。

W.A.モーツァルトが作曲した名曲や美しいアリアが多く、それぞれの登場人物が喜悲劇を生み出す『ドン・ジョヴァンニ』の世界をぜひ楽しんでみて下さいね。

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