【高校を中退して高卒認定試験を受けた話】(音大志望の場合)

2019年5月9日

高校を中退して高卒認定試験を受けた話【高校3年生】

そんなこんなで高校三年生になりました。(こうこ~さんねんせ~♪)
高校三年生になった私はもう既に進路を決めていました。
それは、「東京芸術大学へ行く」ということ。インターネットでリサーチした結果、どうやら声楽家になるには東京芸術大学へ行くのが近道であるということが分かりました。(もちろん今となっては視野の狭い考え方だと思いますが、このときはそう考えていました。)
しかしことは簡単には進みません。私が三年生になったとき、私を音楽の道へ導いてくれたN先生はなんと違う学校に転任することになってしまいました。(♪~Time to say Goodbye~♪)そして新しい音楽のX先生が赴任してきます。(X先生は男性で大学では声楽科卒業だそうです。)私はこのX先生とトラブって私は学校を辞めることになります。



事件発生

ことの発端は私が高校の同窓生の集会(約500人規模で会場は体育館でした)でソロの曲を演奏するという行事のリハーサルで起きました。私は学校に依頼されて、活躍している在校生代表の1人として演奏を頼まれたのです。(君が代のおかげで私は佐賀で少し有名人でした。)

私はそのときピアニストを外部に依頼していました。学校まで、その方のお家から車で片道1時間弱。そして私がリハーサルを開始して少ししたとき、、、「佐賀市内で強盗事件が発生しました。犯人は逃走中です。生徒は今すぐ自宅に帰りましょう。」「はい???」「リハーサルは中止!すぐ帰って!!!」いやー、流石に田舎すぎてびっくりしました。しかしもちろん私はそんな話では納得できません。「ピアニストの方は遠方から来て貰っている。リハーサルをさせてください。」と言いました。そしたら、「絶対ダメだ。今すぐ帰れ。」という言動。(生徒は教師の言うことに従うべきだと思っているのでしょうか・・・)なので私も、「ありえません。絶対リハーサルします。」という態度で臨みました。そうしたところその教師はなんと私の胸ぐらを掴んできて、(暴力反対!)「何かあったらどう責任を取るんだ!」と言ってきたので、「??責任もなにも、万が一その強盗に出会って襲われたらそれは私が死ぬだけなので、その時点で私が被害者だし、責任もなにもなくないですか?」みたいなことを言いました。(だいたい物取りの強盗で高校生が殺されるってのも突飛すぎますけど。)結局私もイライラしてしまったので、「あなたは生徒のことを考えてるんじゃなくて、自分の保身のためにそう言ってるだけだ!私は校長先生に直接話をします!!」とすごい剣幕で言って、職員室へ行きました。そのとき校長は不在だったので教頭先生に事情を説明。そうしたところ、普通にリハーサルが終わったら直帰で家へ帰るということでリハーサルは認められることになりました。(ていうか強盗起きて生徒全員帰してたら教育成り立たんやろ。)

今思い返しても佐賀って本当にすごい土地だなと思います。この理論って、「交通事故が発生しました!生徒は危ないのでもう学校に登校しないように!」みたいなことでしょう。なんのこっちゃって感じですよね。平和ぼけにもほどがあります。(ちなみにこの強盗?みたいな人は後日逮捕されました。)若かったということもありますが、もともとX先生は私を毛嫌いしていました。なんか目立っていて気にくわなかったんでしょう。例えば音楽の授業で私にだけソロを歌わせたりして、「イタリア語の発音が韓国人見たいだね」とか悪口をさんざん言っていたので、今考えるとパワハラだな~と思います。とりあえずそういうことも重なって私ももう我慢できなかったわけです。(若い!)

しかし私は高校三年生で必ず音楽の授業を履修しないと卒業できませんでした。ただ私は「もう絶対あんな教師の授業は受けたくない」と思い、音楽の授業を受けなくても(例えば他の選択科目を履修するとか)卒業できるか、そうでなければ退学すると決めました。ですが大学には行きたかったので、高校を辞めても進路に影響がないかよく調べました。そうしたところ「高校卒業程度認定試験」(旧大学検定試験)を受験して合格すれば大学にいけるということも分かり、進路が音楽系だったので問題がないだろうと考えました。(当時、他校ではありましたが逆に頭が良すぎて既に学校を辞めていたB.Y君に色々教えて貰いました。ありがとう!)私の親は「子どもにはしたいことをさせよう!」という教育方針だったので、私が学校を辞めたいと言ったら「辞めていい」と言ってくれました。(お父さん、お母さん、ありがとう・・・)

少し心残りなのは、同級生と卒業できなかったということと、世界史の授業がルネッサンスで止まっていることです。(進学校だったので他の教科は全て終わっていました。)それでも後悔というほどのことではありません。あのとき私にはその選択肢しかなかったのです。ルネッサーンス!!!
(中卒の声楽家誕生)みんなに驚かれながらも高校を辞めたのは5月のことです。(♪~Im wunderschöen Monat Mai~♪ R.Schumann「詩人の恋」より)

高卒認定試験について

折角なのでここで高卒認定試験がどんなものか説明します。高卒認定試験はズバリ!

「全部国語の問題です。」

?いや、ちゃんと5教科あります。あるんすが、全部選択式の問題でした。そして問題文からして、「いやいや、絶対これが正解だろ・・・。」という聞き方をしてきます。(多分できるだけ合格させたいんだと思います。)私の感覚では、中学校までの内容を理解していて問題文を正しく理解して読めれば合格できます。(高校で習うことは2~3割ぐらいしか出てなかったと思います。)嘘に思えるかもしれませんが本当です。結果として私は9割ぐらいの正解率で合格しました。

そうして受験資格を手にした私は、次に受験対策へと精をだします。芸大はコーリューブンゲンという教材の範囲がまるまる本一冊だったので、(いまだになんでコーリューブンゲンがそんなに推奨されているのかはよく分かりませんが・・・。)新曲が苦手な私はすべて暗記するためにN先生のところへ週2~3回ぐらい通って歌いまくってました。笑そしてS先生が東京音楽大の出身だったこともあり、私は東京音楽大学も受験します。そしてついに受験当日!!結果は!!!

  • 東京芸術大学 不合格
  • 東京音楽大学声楽演奏家コース 不合格
  • 東京音楽大学声楽科 合格

ガビーン・・・ あんなにいっぱい頑張ったのになんでだああああ!!!と思いましたが理由は単純でした。ものすごく下手だったんです。井の中の蛙だったということもありますし、ひとつ前のブログにも書いたように、自分で自分のレベルが分からなかったのです。ということで私は、もう一浪して芸大を受験しよう!!と考えます。なぜなら、、、、東京の私立音大は学費が高すぎる!!!東京音大の場合、年間の学費が普通車1台分に相当します。(それに比べて芸大は三分の一程度の学費)しかし父から、「折角合格したんだし行ってみたら?もし芸大を受けたいなら次の年にも受ければ良い。ということと、N先生からも、「大学行ったがいいよ!」という勧めがあったので、結局その年(2009年)に東京音楽大学声楽科に入学することとなります。ここで少し大学選びのことについて。

大学の選び方

もしこれを読んでいる人でこれから私立の音大へ進学を考えている人がいれば、いくつか大事なポイントがあるのでそれは知っておいたがいいと思います。

①私立の音楽系大学へ行くのであれば十分な資金がないと苦しい。

一般的な感覚だと私立の音楽大学の学費は本当に高いです。
四年間で900万近くかかります。(4年間の生活費を足せばもちろん1.5~2倍ぐらいにはなるでしょう。)学費に苦しめられて学校を辞めていった人や、毎日バイトをせざるを得なくて充分に学べなかった人など沢山見てきました。私立へ行きたいのであればきちんといくらかかるのかを計算してちゃんと家族に伝えましょう。

②もし既に「オペラ歌手になりたい」という具体的な目標があるならドイツかオーストリアの大学も検討するべき。

正直言って最初は言語が大変かもしれません。しかし、ドイツの大学は学費が無料(高くても年間15万円程度)です。私立の大学へいく経済力があれば、その学費だけで4年間十分に勉強と生活ができます。そしてオペラの仕事は日本よりヨーロッパの方が多いです。これは間違いありません。(とは言っても世界中から音楽家が集ってるので母数も多いです。)なので、もしそういう道を真剣に考えているのであれば一度は検討すべきかと思います。

③日本の音楽大学はうまい人たち(成績がいい人たち)に恩恵があるシステムになっている。

もちろん実力の世界なので当たり前ではありますが、科のトップにいる人たちは主科の分野で奨学金を手にしたり、例えばオペラであればロール(役)をもらえたり、ソリストに抜擢されたり、学校が招聘した有名な先生のマスタークラスを受講できたりできます。

しかし、そうでない場合はどうしても埋もれてしまいがちです。なので、自分が上位層に食い込めるレベルかどうかを見極める必要もあります。(もちろん1番大事なのはレッスンの先生と相性が合うかどうかなのですが・・・。)そして、この③の構造はある問題を抱えていると思っています。それは、「学校が評価する基準で競わなくてはならない」ということ。こういうことを言うと精神論みたいになるのであまり言いたくないのですが、音楽は本来採点するとかそういう部類のものではないと思います。それは私が、例え小さなサロンコンサートでも路上ライブでも、人がそれを聴いて愉快な気持ちになったり、元気になったり、感傷的な気持ちになったりするのが本当の音楽だと思っているからです。なので例えば学部の時に評価されなかったとしても、外に出てから開花してる人もいれば、大学でトップの方にいたのに歌を辞めていくような人もでてきます。

結局なにが言いたいのかというと、 大学で評価されなかったからといって才能がないということでもない。ということでしょうか。{評価されなくても「こんにゃろ!いまにみとけ!」と思える人はグリット(やり抜く力)があるんと思うので言う必要もないと思いますが・・・。}だからといって漠然と希望を持ち続けろと言ってるわけではありません。私の考えでは、「強い意志と精神力のない人は声楽家ではなく、他の道を選ぶべき」ということです。なぜなら、「職業として音楽家になるのはとても難しい」からです。そして、「精神(力)のない人の歌(音楽)は退屈。」だからです。(※これはあくまでも個人的な見解です。)ちなみにですが、精神は筋肉と同じで鍛えることができます。(最近言いたい放題なのでいずれ叩かれるでしょうが、そうすると私は傷つき、そして成長します。)つらいことを経験したり、逆境を乗り越えればその分だけ精神は成長します。(みなさんも経験ありますよね?)

音楽家になりたいなら、幾度となく挫折したり、自信の劣等感にさいなまれたり、社会や共同体の中に自分の価値を見いだせなかったりと、つらいことも経験しなければなりません。生活の安定なんかもあってないようなものです。しかし、そんな自分と向き合い、自分の求める本物の音楽を信じて一生懸命努力している人には、いつか必ずチャンスが巡ってくるのだと思います。(チャンスを掴み取る実力を身につけているのはもちろんのことですが、目指してるものが社会とマッチしていなければそれも上手くいきません。しかし自分の理想とする本物を目指しているなら、哲学的にはその人は幸せな方向へ向かうと思います。)ですがもちろんこれも、絶対ではありません。私は訳も分からずに東京音大へ入学しましたが、本来であれば、「これは普通の道ではない」「覚悟がない者は引き返せ!!!」ということを入試の時にでも発表するべきだと思います。そして、これを伝えるのは教師の重要な役目だとも思います。(でもそんなこと言ってたら誰も音大来ない。)というわけで、最後の方は少し違う話になりましたが、ついに私は大学生!!次回は大学1~2年の挫折とカルチャーショックについて書きます。それではまた!Bis Bald~!! 

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