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ベルリンの劇場で演劇鑑賞!【ヴォツェック】

ヴォツェックと作家のビューヒナーについて

Willkommen!! どうも、Torayoshi(@moritora810)です。先月の終りですが、ベルリンにあるシッフバウアーダム劇場で舞台のヴォツェック(Woyzeck)を観劇してきました。ベルクが作曲した歌劇の「ヴォツェック(Wozzeck)」ではなくて、お芝居としてのヴォツェックです。

劇と舞台で綴りが違うのは間違いではなく、この当時、作家のビューヒナーさんが書いた手稿のyを間違ってzで出版された本が出回っていたため、それを元に作曲したベルクさんがそのままタイトルに名前をつけられたと言われています。ということで今日は、ヴォツェックについてです。まず折角なので少しお勉強。作家のゲオルグ・ビューヒナーについて。Wikipediaによると、

カール・ゲオルク・ビューヒナー(Karl Georg Büchner、1813年10月17日 - 1837年2月19日)は、ドイツの革命家、劇作家、自然科学者。ヘッセン大公国に生まれ、フランス領ストラスブール、次いで地元ギーセンで医学を学ぶ。ギーセン大学在学中に反体制運動に関わり、ルートヴィヒ・ヴァイディヒとともに扇動文書『ヘッセン急使』を執筆。しかし扇動は失敗に終わり、警察の手を逃れて亡命、ストラスブール、次いでチューリヒで自然科学の研究に携わったが、チフスに罹患し23歳の若さで客死した。

その短い生涯の間に書かれた文学作品『ダントンの死』『レンツ』『レオンスとレーナ』『ヴォイツェック』は20世紀になってから再発見され、自然主義、表現主義をはじめ後世の文学に大きな影響を与えた。彼の名を冠したゲオルク・ビューヒナー賞は、現代ドイツにおいて最も権威のある文学賞である[1]

23歳の生涯・・・。ということで、ドイツではめちゃくちゃ有名な人です!!知り合いのドイツ人もヴォツェックって言っても知らなくても、ビューヒナーって言ったら知ってました。ちなみに私はドイツに来るまで全然知りませんでした・・・。汗


ヴォツェックの粗筋

このヴォツェック、実は史実に基づいて作られています。実際に起きた殺人事件をもとにして、下級軍人であるヴォイツェックが、浮気をした情婦のマリーを刺殺するという話。ビューヒナーの生前には発表されませんでした。

それにこの作品は未完です。元となった事件は1821年にライプツィヒでおこったヨハン・クリスティアン・ヴォイツェックが起こした殺人事件です。41歳の下級軍人であったヴォイツェックは、6月21日の夜に5歳年上の愛人ヨハンナ・ヴォーストが他の軍人と密会していたことを知り、彼女と言い争い、持っていた短刀で彼女を刺殺します。彼はその晩に逮捕されましたが、逮捕の前後の言動から精神異常の疑いが持たれます。

ヴォツェックは2年にわたる拘留の間で数多くの精神鑑定書が作成されます。史実ではその後犯罪責任能力が認められ死刑判決を受け、執行されています。そしてその鑑定書は1824年に、ビューヒナーの父が監修していた医学雑誌《Henkes Zeitschrift für Staatsarzneikunde》に掲載されており、息子であるビューヒナーのはその鑑定書を元に作品を書いたと言われています。

ということで、史実を元にしているというだけでもう凄く興味深いわけです。そして我々音楽家としはやはりベルクが作曲したヴォツェックが気になるところ!!オペラの方は全3幕、上演時間約1時間半強。粗筋は戯曲のヴォツェックと同じで、ヴォツェックが恋人であるマリーの浮気現場を目撃して、彼女を刺殺するという、なんとも陰惨な物語。粗筋はWikipedeaで読むことができます。

ところで私がなぜこの劇を見に行ったかというと、ベルリン芸術大学の入試課題でこのヴォツェックに出てくる台詞をチョイスしてしまったからです。(関連:ベルリン芸術大学(UDK)オペラ修士の試験内容!!)ちなみにそのオペラのシーンは「Das Messer wo ist das Messer!」というところなのですが、このシーンは最後のシーンでヴォツェックさんが完全に狂ってしまっています。ということで、前置きが長くなりましたが、ヴォツェック見てきました!


シッフバウアーダム劇場

この劇場はS+U -Friedrich Str.にあります。駅を出てシュプレー川を越えたところの左手のところです。劇場前は広場になっていてひらけています。とても良い感じ!ということでWoyzeckです。もちろんドイツ語!!

中に入って分かりましたが、この劇場めちゃくちゃ古い!どいつの劇場はどこも趣があります。そして気になる感想は…「ドイツの舞台ってすごい。」私は日本でもなんどか観劇したことがありますが、こんなにシリアスでぶっとんでるのは見たことありませんでした。

何が凄かったのかというと、音の使い方やイナミクスの幅が半端じゃなかったということ。ヴォツェックは軍人なので、軍隊特有の演出も面白かったです。偽物の銃とはいえ、銃口を向けられたのはさすがに怖かった・・・(しかも撃ったら音でるし・・・。)BGMも要所要所で使われるのですが、その種類もクラシックからポップスまで幅広く、全ての時代を複合したような舞台演出でした。ドイツ語が分からなくても、役者さんは肝心な言葉は強調して発音してくれますし、粗筋を知っていれば視覚的要素で割と理解しながら観ることができます。

以前、ドイツ語で映画を見たときにも思ったのですが、言葉が分からないとその分エフェクトがどうなっているのかに関心が向けられ、言語ではない部分で感情や雰囲気を掴もうとするということが分かりました。言葉からインスピレーション受けるんじゃなくて、映像とか動きとかそういうところから印象を受けるということです。そんな自分の視点の相違を発見できるという意味でも面白い体験でした!それではまた次回!!Bis Bald~!!


  • シッフバウアーダム劇場, Berliner Ensemble
  • Bertolt-Brecht-Platz 1, 10117 Berlin, ドイツ

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